起伏に富んだ住宅地をすり抜け、緑あふれるお庭の先に佇んでいたのは小さな小さな西洋館。 大正元(1912)年頃にスワンソンというスウェーデン人(あるいは英国人)の邸宅として建てられたもので、風見を載せたトンガリ屋根が何にも増してメルヘンチックな情景を作り出しています。 スワンソン氏は船乗りだったようで当時の外国人としては中流以下の暮らしぶりだったとも伝わりますが、親子3代に渡ってこの建物で約しい生活を続けていたそうです。 山手の洋館群からも少し外れ、この極東の果ての小さな住まいを拠り所に一体何を想いながら日々の生活を送っていたのだろうか・・・そんな過去への想像ばかりが強く掻き立てられてしまいます。 神奈川県横浜市中区 09年12月上旬他
※非公開の個人邸です。 見学の際はご配慮願います。
参考 『残照 神奈川の近代建築』 1982
『都市の記憶 横浜の近代建築Ⅱ』 1996
今回の「パズル」も楽しく解かせて頂きました。
横浜は建築だけではなく食事や遊び、そして歴史にも事欠かない場所ですから、
ランナさんのように探究心の強い方にはアッチもコッチも気になっちゃう場所でしょうね。
晴れた日に高速湾岸線を走って三溪園の辺りで見えてくるダイナミックな風景が個人的にはお気に入りですよ。
「大きな森の小さなお家」って河合菜穂子の曲でしたか。
彼女で覚えているのは歌ではなく、どこかのホールでリハ中に舞台から転落して大怪我を負った事ですね。
私がこの小さな洋館を見て思い浮かんだのは小坂明子の「あなた」でした…。