豊郷小学校 その2

2007-12-24 17:56:37 |  滋賀県
 随分お待たせしましたが豊郷小学校の続きです。 本館に繋がる講堂と図書館の、まずは簡単な説明から。
 
 豊郷小学校の平面図はカタカナでいう「ヨ」の字型。 北西を正面とし左右に125メートルにも及ぶ大きさで、その両端に向い合う形で北側に図書館、南側に講堂という建ち位置になります。

 本館から「渡り廊下」を通って最初に講堂へ。 







 床が緩い勾配になっていて後ろに行くほど目線が高くなる仕掛け。 木製の長椅子が配され、その数は600席にも及ぶそうです。 縦長の大きな窓からは光が存分に差し込み小学校の講堂としては申し分無し。 2階席からの眺めも良好でした。


 ここから図書館に向かうには、来た道を戻り本館を抜け、同じような渡り廊下を通っていきます。 
 










 この図書館にはやられました。 まさか小学校の図書館にこんなに素晴らしい空間があろうとは。 中央部分は吹き抜けの空間になっていて、ここが子供達の日常の図書閲覧スペース。 2階部分は南北に一つづつ独立して存在し、特別閲覧室や郷土資料展示室となっていたのでしょうか。 手摺り部分の装飾も凝っていて目を奪われますが、特に気に入ったのは北側の2階部分に上がる螺旋階段。 柔らかなカーブを描いた階段は非常に美しく、ここを上がった先での読書というものは何か崇高なもののように感じられそうです。

 
 こうして見てみると、本館はもとより講堂や図書館においても、現代の平均的な小学校を凌ぐレベルの充実度があるものと思いました。 住民運動のかいあってこの建物は残される事になりましたが、裏手には新しい校舎が建ち、この建物は保存というより放置に近いような気がします。 活用といってもこれだけの建物を維持管理していくには難問が多そうで、本来なら、新しい校舎を建てるのではなくて、この建物を現代の生活環境に合わせて改修していくのがベストな判断だったと言われても仕方ないのではないでしょうか。  滋賀県豊郷町石畑518  07年11月下旬