坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

ペンション自給自足

2010年04月01日 | 坊主の家計簿
 ママと娘と家族3人で丹後半島にあるペンション自給自足(http://www2.nkansai.ne.jp/hotel/jikyujisok/)に行って来ました。
 名前、すごくない?いや、『じゃらん』で『カニ』で検索してたら見つかったんやけど、名前を聞いて「これしかないな」と。ヤギも居てるし。っちゅうか、他にも諸々候補があったんだが、なんせ他の宿にはヤギが居ない。娘にはまだ意見を聞く事が出来ないのでママと2人で諸々探して意見交換をしてたんがだ、他の宿にはヤギが居ない。カニは食べれてもヤギが居なければペンション自給自足に勝つ事が出来なかったので、ペンション自給自足に決定。

 ペンション自給自足にはヤギの他にパワフルな女将さんがいる。
 
 http://www.agr-k.or.jp/lives/people/html/22_teshigawara.html

 この女将さんの話を聞くのも目的の1つだったのだが、着いた日は仕事が終わって高速ぶっ飛ばして行ったので、パパ、お疲れモード。&、メシ、多い。あと、カニ、食べるの大変。
 「カニを食べると無口になる」とはよく言われるが、だって、ほじるので神経使うし、量も多いし。ちなみにカニは、刺身&茹でがあって、テーブルにある炭火で焼くカニが大量にあって、カニ鍋もある。なので、『食べる』という作業だけでも結構大変だったりする。それプラス、むっちゃ美味な玄米おこわや、総菜なんぞがあって、山菜&蕎麦の天ぷらがあって、大阪でなら週に3日の昼間にしか営業せずに少ない一人前で1000円取ってて商売出来そうなグレードの高い手打ち蕎麦が出て来る。しかも「ここのある果物も食べてエエよ」とか、食べられへん、っちゅうねん。
 ちなみに『カニ』はカニであったので「やった!カニや!」ぐらいなもんだったのだが、蕎麦が抜群だったし、デザートに出て来たヤギのアイスクリームが絶品だった。
 
 なので、食べるのに忙しく(結局2時間半かかった)、女将さんの話をゆっくり伺う事が出来なかった。

 んが、翌朝(っちゅうか、今朝なんだが)は昨日の続き?の雑炊を食べて、土鍋で炊いたらしい御飯も「これって、むっちゃ美味そうやんけ」っちゅう事で、通常の朝食メニューと土鍋御飯(?)を食べて(ちなみに梅干しが絶品だった)、ヤギのミルクで焼いたパンをママレード(ママは梅ジャムも)とで食べて、これまた絶品だった、ついつい土産にまで勝ってしまった、思わず「今年の中元はこれにしよか」っちゅうぐらいのシソジュースを飲む。まあ、スンゲー量なんだが、昨夜と違ってカニがない。カニがないので女将さんの話を『じっくり』とまでは行けないが、それでも結構伺う事が出来た。いや~、商売、っちゅうか、客商売が上手い人である。リピーターが多いのも納得。次は『カニ抜き』で行きたいぐらいである。
 別にカニが不味かったわけではなく、美味かったのだが、カニはカニである。晩飯に食べるねんから、鮮度の問題ならば大阪で食ってもエエわけである。別に『カニグルメ』違うし。っちゅうか、騒ぐ程、カニが好きなわけでもない。ただ、ヤギも居てるし、あの蕎麦だけでも食べに行く価値があるような蕎麦だったし、ヤギアイスとシソジュースと梅干しを食べにだけでも行きたくなる魅力があるし、魅力ある女将さんが居てる。エエ感じのペンションだった。

 ついでに只今の丹後半島情報だが、え~。。。山には雪が積もってます。よって、ペンション自給自足からスイス村に抜ける道が雪で通れません。四駆なら知らんが、っちゅうか、四駆でも「どこからどこまでが道やねん」っちゅうのが解らんぐらいに雪が積もってて、通行出来ません。
 なので、海岸沿いを走って丹後半島を一周する。娘の初海は琴引浜。鳴き砂をキュキュ言わせながら歩く。娘、海が気に入ったのか初めてだったので珍しかったのか、波を見ながら興味津々。なんだが、寒いし、小雨だったので速攻引き上げる。
 琴引浜は以前にナホトカ号っちゅうタンカーがぶっ壊れて重油をだだ漏れした時に琴引浜も被害を受けて音が鳴らなくなった。でも、今は鳴る。自然に治ったのでなく、人が治した。
 人間の力っちゅうのは、石油タンカーを作り出す事も出来たり、重油で汚染された砂浜を治す力もある。石油タンカーを作った人達も『一人一人の力』であり、砂浜を治したのも『一人一人の力』である。「私は石油タンカーを作ってんぞ」という人も居てたら、「私は琴引浜の砂をキレイにした」っちゅう人も居てる。
 ペンション自給自足の女将みたいな人も居てる。


    ぼくが ここに いるとき
    ほかの どんなものも
    ぼくに かさなって
    ここに いることは できない
 
    もしも ゾウが ここに いるならば
    そのゾウだけ
    マメが いるならば
    その一つぶの マメだけ
    しか ここに いることは できない
    
    ああ このちきゅうの うえでは
    こんなに だいじに
    まもられているのだ
    どんなものが どんなところに
    いるときにも
   
    その「いること」こそが
    なににも まして
    すばらしいこと として
   (まどみちお『ぼくが ここに』)

 
 ペンション自給自足の女将の教育方針は『勉強よりも生きる力』という事らしい。まあ、「勉強だけ出来ても生きる力が弱ければ仕方がない」っちゅう事なんだろう。登校拒否状態の人達との交流も多くあったらしいし。
 また、ペンション自給自足は、『ペンション』なので、純粋に自給自足の生活をしているわけでもない。物々交換もしているらしいし。ペンションなので現金収入だってある。つまり『ひとりよがり』の仙人暮らしではない。ただ、強烈な『個』がある。生き物としての強烈な『個』がある。
 その『個』は、

【「一般的な野菜は大阪でも作れるもの。こんな地理的に不利な山奥で、よそと一緒のものと作っても競争できない」】(http://www.agr-k.or.jp/lives/people/html/22_teshigawara.htmlより)

 であり、それは

【農薬や化学肥料を使って「自然の循環を壊す農業はしたくない。山間部は山間部なりの農業があるはず」】(http://www.agr-k.or.jp/lives/people/html/22_teshigawara.htmlより)

 という自立と連帯に結びつく。
 なので、この『自給自足』とは、『商品化されモノ化された人間の奪われた個の回復』ではないかと。
 
 今度はカニ抜きで行こ。