エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

レンゲ

2015年04月21日 | ポエム
レンゲの、ほのぼのとしたピンクが良い。
レンゲは子どもの頃の、温かい思い出である。



誰が何と言っても、レンゲはレンゲである。
ゲンゲとも云うけれど、レンゲである。



レンゲ畑がだんだん少なくなって、田んぼのそこここに咲いている程度となってしまった。
これも農薬の功罪である。

以前は、レンゲの種を蒔いたものだ。
レンゲが肥しになって、田を豊かにする。







「儚きやレンゲの色の仄々と」







レンゲの花言葉は・・・。
「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」「心がやわらぐ」である。



かつての豊かな農作業が、蘇ってくることを祈る。
機械化が進み、農村は荒廃した。
そして「田園は正に荒れている」のである。


「手に取るなやはり野に置け蓮華草」

遊女を身請しようとした友人を止めるため、江戸時代に「滝野瓢水」が詠んだ俳句である。
蓮華(遊女)は野に咲いている(自分のものではない)から美しい。
だから、自分のものにするとその美しさは失われてしまうという意味だ。
転じて、そのものにふさわしい環境に置くことがよいというたとえとして使われるのである。



放置された水田。
段々畑の荒廃。
田園風景が無くなっている。

いま正に交渉が進むTTPは、国際競争力の美名の下に日本の農を破壊する。
TTPへの参加が間違っているのではない。
そのバックアップ体制の整備が進んでいない現状では、農の破壊だと言っているのである。

レンゲの儚さに、夢を見続けたいものである。



       荒 野人