エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蕊降る

2015年04月23日 | ポエム
桜の季節が終わり、葉桜へと移行する。
そのほんの束の間、蕊降る候が自然界を訪なうのである。

舗道を染め上げ、時として人の肩にも降りかかる。
なまめかしい一瞬である。



見上げても、俯いても・・・蕊の赤が飛び込んでくる。
それもまた楽しい。
確かな自然の歩が感じ取れるからである。







「蕊降るやバギーの母子の心径」







桜の樹の下と、空を仰ぐ空間とでくっきりと道路が分たれる。
面白い現象であるけれど、春の嵐の後ではこうはならない。

しかしながら、蕊だと云いおいてはいけない。
森羅万象の役者の一人である。



この季節。
束の間の季節は、確実に心象風景の中に在る。



      荒 野人