エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

水とチューリップ

2015年04月29日 | ポエム
妙なる取り合わせ、である。
春の水の流れは、穏やかにしてパステルカラーなのだ。
それに引き換え、チューリップは鮮明な個性を示す。



いかなる流れであれ、水面は水鏡となって春の色を映すのである。
春の水は柔らかい。

だからこそ、水面に映る景色も又柔らかいのである。







「帯を成し光映せるチューリップ」







ぼくたちが幼かった頃・・・。
「おまえチューリップだな!」
と云えば「お前鼻の下が長いな」といった意味合い。



自惚れやさん、と云っているのだ。



この景色はもう色褪せているに違いないのだけれど・・・。
水辺の景色の色は、鮮やかに見える。



とりわけ、色彩の命は春の空に舞い上がるようでもある。
春の空が朧なのは、そうした事が理由なのかもしれない。



       荒 野人