エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

食べる春

2015年04月14日 | ポエム
春を食べるのである。
風光る今でないと、食べられない。

何と云っても、嚆矢は「たけのこご飯」である。



筍だけでなく、鳥肉やら蒟蒻やら色々と焚き込んで頂いた。
ピュアな筍の味ではないけれど、これも美味い。

「柿の葉」「ユキノシタ」「ウコギ」の葉を夫々天ぷらにして頂いた。



左が「ウコギ」真中が「柿の葉」そして左側が「ユキノシタ」である。
丁度食べ頃であった。



この柿の葉。



このユキノシタ。



このウコギの葉である。



これだけでは寂しいので「マイタケ」も揚げた。



さらに「エノキ」も揚げてしまった。
春爛漫である。



天つゆは、ぼくの特製。
下に沈殿しているのは「麹」の粒々である。
これが旨味である。

さて、ぼくの知り合いに「タケノコご飯」が大好きな人がいる。
聞くと、今年はまだ食べていないとの事。
早く食べて欲しいものである。







「春筍の命いただくご飯かな」







唐突だけれど、その友人はコケ類が好きである。
とりわけ、今頃のコケは青々としている。
生命力に充ち溢れているのである。

タケノコご飯は、旬の味。
柿の葉もユキソシタも、更にウコギの若葉も同様である。

ウコギはお浸しでも食べられるけれど、やはり独特の香味がある。
天ぷらにすると、その味だけが際立ってくれるのだ。

正しく、春の命を体内に取り込む所業である。




       荒 野人