エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

山笑う

2015年04月20日 | ポエム
まさしく、時は今・・・。
山笑う候、である。

里桜の満開が遠目からでも分かる。
白々と山が微笑むからである。



なんたる色合いと、息吹であろうか。
遠目からだと、その生臭さよりも若々しさが伝わってくるのである。







「山に消え山に溶けゆき山笑う」







この山笑うシーンは、狭山湖畔に立ってのものである。
まさに、匂い立つようではないか。



点々として色を変えていく、山肌。

まるで、君の柔らかな白い肌のようなのだ。
君が、撥ねつけてきた男たちの「ため息」が聞こえる。



その優雅な姿に、人は詩を捧げて来たのである。
俳句の世界では「山笑う」と例えた。

だがしかし、山笑うで詠みきれない深さと広がりにぼくは嘆息をつくしかない。




       荒 野人