エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

平林寺の大祭

2015年04月19日 | ポエム
この時期、平林寺の大祭は「半僧坊大祭」である。
教典に風を入れるのだ。
その所作と、誦する大音声が全山に響くのである。

今年は、4月17日の金曜日であった。



この読経を行うのは、平林寺の末寺の住持と聞いた。
若きから、老うた住持までが揃って大音声をあげつつ教典に風を入れるのだ。







「山折りも谷折りも同じ春の声」

「深き帰依教義に捧ぐ風の春」







こうした所作は、一年に一度であろうからこの日を逃すと来年を待たなければならない。
貴重な場面なのである。



相当量の教典なのだけれど、忽ちにして終る。
読経と、高く掲げる教典を開く音の響きが沁みてくる。

流石は、武蔵野の古刹である。



この行事のために、入場する住持たち。



雅楽を奏しながら寺域に入ってくる。
もちろん住持たちは、それに続くのである。



寺の外回りでは、武者行列が行われる。
この古刹は、あの「知恵伊豆」こと「松平伊豆守」一族の寺域がるのだ。



先頭が知恵伊豆だと放送される。
一際、立派な衣装である。

とまれ、この半僧坊大祭は胸を揺り動かす気配に満ちていると云える。
三社祭のような派手やかさは無いけれど、深い敬虔な教義への帰依が匂い立つ。

ぼくの好きな祭の一つとなっている。



      荒 野人