Yさんの訃報を知ったのは、ちょうど1週間前の梅畑でだった。
「えっ?!」信じられなかった。
「昨日、隣の畑で梅採り初日、採ってたやろ?!」
そう!前日、私が出勤してきたとき隣でコンテナに梅をあけている音がして「今日からやって!」なんて社長と話した。
けど、それはYさんの姪御さんで、すでにそのときにはYさんは自宅にて他界していたそうだ。
にわかには信じられなかった…
だって…
Yさんは社長の親戚、兄弟のような関係だったそうで、ここ数年は高齢の社長に代わって、何かとお手伝いしてくれていた。
高いところの苦手な私は毎年、調子に乗って「脚立たてて、待ってるヨ~」なんて、おどけて甘えていた。
今年も初日は、梅畑から選果場までコンテナを運んでくれた。
二日目は、運搬だけを頼んでいたらしいが、「見てたらついつい」なんて言って脚立に登って梅採りを手伝ってくれた。
そして選果場まで運ぶ際、軽トラの助手席に乗せてもらった時に一言つぶやいていた…
「ねばりが… ねばりが無くなったんやょ 去年のようにがんばりが効かんのや」
そんなことをぼやきながらも、その日は選果も手伝ってくれたYさん。
その翌日は、自分ところの梅採りの準備をしていたようで、縁に座って休憩しているところで挨拶をした。
「コンテナ準備して、それだけでヘトヘト 疲れたワ~」って笑っていた。
それが私が会った最後になった。亡くなる二日前…
その後は若社長が仕事を休めたので、こちらの梅仕事は何とかまわるようになった。
Yさんは安心したのかな?
自分チの梅を1つも収穫せずに逝ってしまったのは、さぞ無念だったろう…
Yさん、ありがとう