「私は行く。ぜったいに行って、無理だって言った全員に「ざまあみろ」って言ってやる。そう決めたの。」
1話より。キマリとの最初の会話のなかで。この毅然たる言葉がキマリの心を大きく動かしたのは間違いない
「私の自転車なんだけど」「そうなの? 南極号? アハハハハハハ」
「札束もってるらしいじゃん」
「すこし貸してくんない? ちょっとだけー」
1話より。校内にて、心ない上級生に絡まれる。報瀬が汗水たらして貯めた「しゃくまんえん」の重みを知ろうともしない人たちだ
「南極に行くんだ!」
「うふふ、本当に南極って言ったー」「なに考えてんだろー」
「いいの?」
「いい。どうせ行くまで何いっても信じないから。本当に着いてから言うの。ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろって」
4話より。南極行きがようやく実現に向けて動き出した頃
このプロジェクトが立ち上がってから、ずっと言われ続けているの。おカネが足りない。危険じゃないのか。もう慣れっこ。そんな報道があるたびに、メンバーといつも事務所で言ってるわ、「うるせえ、ばーか!」ってね
4話より。訓練キャンプに向かう車中。いつもにこやかな副隊長のかなえだが、この「うるせえ、ばーか!」のセリフでは、かなり激しい顔つきをする
☆☆☆☆
ついに南極に着いた。
かなえの(だけでなく、藤堂をはじめ、隊員みんなの総意ということだろうが)粋な計らいで、キマリたち4人に「初上陸」の栄誉が与えられる。
「ゆづ、カメラ!」「はい!」
かなえ「降りるだけよ。半径5メートルまで。」
寒風が吹き過ぎる
「これが……南極……。」
ゆっくりとタラップを降りていく4人。
1段目まできて……。
キマリ「どーする?」
日向「報瀬、先いけよ」
キマリ「どーぞ」
報瀬、1段目まで降り、大地を見おろして、まず、キマリの手を取る。
目と目を見交わし、微笑む。
そして。
せーの
あちこちで引用される名カット
キマリ「着いた……」
結月「着きました」
日向「ゴール!」
報瀬、むせび泣く。
キマリ「報瀬ちゃん」
日向「よかったな」
結月「お母さんが来たところですよ」
報瀬、しおらしく涙にくれていたかと思いきや、きっと顔を上げ、
「ざまーみろ!」
「えっ」とたじろぐ3人をよそに、
「ざまあみろ……。ざまあみろ、ざまあみろ。ざまあみろ。あんたたちがバカにして鼻で笑っても私は信じた。ぜったいムリだって裏切られても、私は諦めなかった。その結果がこれよ! どう? 私は南極に着いた。ざまあみろ、ざまあみろ、ざまーみろー!」
日向「そっちかよ」
結月「ずいぶん溜まってたんですね」
キマリ「いいじゃない、報瀬ちゃんらしくて」
4人そろって、笑いながら「ざまーみろ!」
それを見ている隊員たち
藤堂の掛け声で
全員で唱和する「ざまーみろ!」が南極の蒼穹に響きわたって、第9話「南極恋物語(ブリザード編)」はおわる。