ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

世界名作アニメ劇場・全タイトルのリスト

2020-09-27 | 映画・マンガ・アニメ・ドラマ・音楽



 これも別のブログに掲載していた記事です。そちらのほうは、クラウド代わりってわけじゃないけど、ネットのうえにメモを置くつもりでやってたんですね。自分にとってそれなりに大事で、ほかの誰かが見ても役に立ちそうな情報を保存してました。「世界名作アニメ劇場」については、このブログでも何度かふれたことがあるので、ここに移しておきましょう。




☆☆☆☆☆☆☆


 ぼくなんかが子どもの頃には、「世界名作アニメ劇場」ってのがあってね。あれが毎週の楽しみだった。まあ、『フランダースの犬』なんて、むしろ「毎週の悲しみだった」というべきだけども……。いまの世相じゃ、子ども向けであの設定はありえないでしょうね。
 それはともかく、内容においても作画においても、世界的にみて最高といっていい水準だった。「ハイジ」なんて、ヨーロッパに逆輸入されて人気になったほどだからね(ただし本国のスイスでは必ずしも評価が高くないらしいが)。高畑勲、宮崎駿両巨匠をはじめ、のちに「スタジオジブリ」に集うスタッフもたくさん参加していた。「ジブリの前身」とまでいったら言い過ぎだけど、のちのジブリアニメを涵養する土壌となったのは間違いないでしょう。
 下にまとめたとおり、ほぼすべての作品が海外の児童文学を原作にしており、かつ、それらは「ピーターパン」など一部を除いてほぼすべてがリアリズムを基調にしていた。ここが最大の特徴であったと思います。ファンタジーではなかったわけね。
 ぼくはプリキュアシリーズに好感をもっていて、はからずもカテゴリまで設けてしまったほどだけど、本音をいうと、「子ども向け」の作品ってのはリアリズムで語られるのが望ましいと思ってるんですよ。その点については畏れ多くも故・高畑勲御大と同意見なんだ。つまり、ニホンという国が貧しい時代ならファンタジーに夢を託すのもよかったけれど、これだけ豊かになってきたら、もういちどていねいなリアリズムに戻ったほうがいいんじゃないかと考えてるわけです。こういうところは、やはり「純文学」の人間なんでしょう。
 むろん、現状はまったく正反対で、どちらを向いても「ファンタジーしかない。」と言うべき状況ですけどね。まあそれだけファンタジーってのは魅力的だってことですね。
 前置きが長くなりました。ウィキペディア先生を頼りに作ったリストです。①放映年度 ②タイトル ③総話数 ④作品の舞台 ⑤原作者名 ⑥(その原作者の国籍)の順になってます。


 1973年 山ねずみロッキーチャック 全52話  アメリカ ソーントン・バージェス(アメリカ)
 1974年 アルプスの少女ハイジ 全52話 スイス/ドイツ ヨハンナ・スピリ(スイス)
 1975年 フランダースの犬 全52話 ベルギー ウィーダ(イギリス)
 1976年 母をたずねて三千里 全52話 イタリア~アルゼンチン エドモンド・デ・アミーチス(イタリア)
 1977年 あらいぐまラスカル 全52話 アメリカ スターリング・ノース(アメリカ)
 1978年 ペリーヌ物語 全53話 フランス エクトール・アンリ・マロ(フランス)
 1979年 赤毛のアン 全50話 カナダ L・M・モンゴメリ(カナダ)
 1980年 トム・ソーヤーの冒険 全49話 アメリカ マーク・トウェイン(アメリカ)
 1981年 家族ロビンソン漂流記・ふしぎな島のフローネ 全50話 スイス/オーストラリア ヨハン・ダビット・ウィース(スイス)
 1982年 南の虹のルーシー 全50話 オーストラリア フィリス・ピディングトン(オーストラリア)
 1983年 アルプス物語・わたしのアンネット 全48話 スイス パトリシア・メアリー・セントジョン(イギリス)
 1984年 牧場の少女カトリ 全49話 フィンランド アウニ・ヌオリワーラ(フィンランド)
 1985年 小公女セーラ 全46話 イギリス フランシス・ホジソン・バーネット(アメリカ)
 1986年 愛少女ポリアンナ物語 全51話 アメリカ エレナ・ホグマン・ポーター(アメリカ)
 1987年 愛の若草物語 全48話 ルイーザ・メイ・オルコット(アメリカ)
 1988年 小公子セディ 全43話 アメリカ/イギリス フランシス・ホジソン・バーネット(アメリカ)
 1989年 ピーターパンの冒険 全41話 イギリス ジェームス・マシュー・バリー(イギリス)
 1990年 私のあしながおじさん 全40話 アメリカ ジーン・ウェブスター(アメリカ)
 1991年 トラップ一家物語 全40話 オーストリア マリア・フォン・トラップ(オーストリア)
 1992年 大草原の小さな天使 ブッシュベイビー 全40話 ケニア ウィリアム・H・スティーブンソン(イギリス)
 1993年 若草物語 ナンとジョー先生 全40話 アメリカ ルイーザ・メイ・オルコット(アメリカ)
 1994年 七つの海のティコ 全39話 七つの海 オリジナル作品
 1995年 ロミオの青い空 全33話 スイス/イタリア リザ・テツナー(ドイツ→スイスに亡命)
 1996年 名犬ラッシー 全26話 イギリス エリック・ナイト(イギリス)
 1996年~1997年 家なき子レミ 全26話 フランス エクトール・アンリ・マロ(フランス)




 かなり長いこと続いてたんだなあ。後半はさすがに知らないのが多い。初めは1年ものの大河だったのが、だんだん短くなっていったんですね。
 90年代半ば、「世界名作劇場終わる。」のニュースを聞いたときは、「ひとつの時代が幕を下ろしたなァ」と感慨に耽った記憶があります。
 今ではgyaoなどで大半のものは観られるし、ときどき期間限定の無料配信もしておりますが。


 なお、2000年代に、
 2007年 レ・ミゼラブル 少女コゼット 全52話 フランス ヴィクトル・ユゴー(フランス)
 2008年 ポルフィの長い旅 全52話 ギリシャ/イタリア/フランス ポール・ジャック・ボンゾン(フランス)
 2009年 こんにちは アン〜Before Green Gables 全39話 カナダ バッジ・ウィルソン(カナダ)
 の3作が制作・放映されたそうだけど、これらは地上波じゃなく、BSだったとか。




 あと、『おちゃめなふたご クレア学院物語』ってのがあったはずだと思ったら、これと『わたしとわたし ふたりのロッテ』は、「三井不動産アニメワールド」という別の枠だったらしい。ふーん。
 ついでなんでそっちもリストアップ。




 1989年~1990年 シートン動物記 全45話 アメリカ アーネスト・T・シートン(アメリカ)
 1991年 おちゃめなふたご クレア学院物語 全26話 イギリス イーニッド・ブライトン(イギリス)
 1991年~1992年 わたしとわたし ふたりのロッテ 全29話 ドイツ エーリッヒ・ケストナー(ドイツ)




 こちらも秀作でした。
 リアリズムってのは退屈になりがちだから、海外を舞台にすることで、子どもたちを楽しませるように工夫してたんだと思う。いろいろな土地や時代の風俗にふれて、好奇心を満たすことができたわけですね。それでいて、人情ってものはどこの土地、いつの時代でも普遍的なものだというメッセージも含んでいた。
 いまどきの児童にとってもきっと滋養になると思うんで、格段に進歩した今の技術で、また復活しないかなあと思うけど、どうしても地味になっちゃうんで、むずかしいでしょうねえ。










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