栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

きよちゃんのエッセイ (178)”3年B組)”(Okubo_Kiyokuni)

2023年11月03日 | 大久保(清)

3年B組

金八先生で有名になったクラスだが、3年B組の担任は村田先生、彼の教えていた物理を含め、生物、化学の授業はすべて理学教室と呼ばれる別館で実施された。そこは薬品のにおいが鼻につく、うす暗く、どこか陰気な空気に満ちていた。この環境にからだが拒絶反応を示したせいなのか、その頃から、理学部コースは大学受験の希望枠から外されていた。

大人になる前の、長い人生のほんの一瞬を切り取った一枚の写真。かしこまって記念写真に納まる青年たちの中から、KFCの会長さん、横須賀市長さん、NECの重役さん、NHKの副会長、大手海運会社の社長さん、北海道の大病院の院長さん、銀行の支店長さん達・・・が出来あがる。今思い返しても、原因と結果はなかなか結びつかない。残念なことに一緒に高校を卒業できなかった仲間も何人かいる。

だれも、これから待ち受けているはずの、自分の将来を知らぬまま、郵便配達員のような、とても地味な、今様の言葉では、ダサイ、制服姿の子供たちが神妙な顔つきで、グスタス・フォス校長の、どこかカリスマ的な雰囲気に煽られて、少しばかり緊張した面持ちで並んでいる。全部で何人いるかと数えて見ると、44名。もうすでに亡くなってしまった男も何人かいる。

1959年から早くも、64年。長いようで短い年月である。3年B組の仲間達は、79歳、 写真をあらためて眺めると、浦島太郎の気分に浸り始めた。3年B組、3年B組、なんだか、お経のような響きだ。

 

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