栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

若かった頃の思い出(ニューギニアの巻 (第5話)車の話(Okubo_Kiyokuni)

2013年09月08日 | 大久保(清)

 <第5話> 車の話 

 ニューギニアで移動する時は、道路が無ければ飛行機。ポートもリスビー周辺はバスも無く、電車も無く、自動車が唯一の移動手段。歩いてもいいですが、40度近くの炎天下、日本人は無理でしょう。私も、ランドクルーザーを一台貸与されて、日本で発行された国際免許で、事務所の通勤、休日のドライブと動き回ることになったが、たった1年間で日本では味わえないハプニング(事故も含め)に数回遭遇することになった。

 

  ポートモリスビーは丘が多く、高台より見晴らす山並み、ポートモリスビー湾内を帆走するヨット等を眺めるには最適だが、この急な坂道のために、私の車は通勤途中でガス欠になってしまった。平地で走行中にガス欠ランプがピカピカし始め、そろそろスタンドに行かないと思いつつ、急坂を登り峠にあと少しという所で、エンジンがスルスルと止まってしまった。ガソリンゲージを見ると完全に0表示。ガソリンタンクとキャブレターの高さ関係は定かではないが、ともかくエンジンにガソリンが届いてない。

 急坂に入る前にガソリンスタンドがあるのを知っていたが、これはこれだったのかと思い知ったが、既に遅い。点滅ランプをつけて、ゆっくりと後ずさり。ニュートラルギアーで、急坂を数百メーター走りおり、スタンド手前20mに止め、青信号にタイミングを合わせ、ゆるくカーブを切ってスタンドエリアになだれ込んで、危ない、恥ずかしい運転は終了した。

 車を回転し、頭を坂ノ下に向ければガソリンがキャブレターに届いたのでしょうか。でも、本当に、急坂でタンクよりキャブレターにガソリンが流れなくなることがあるのでしょうか。一度、専門家に聞いてみたいです。ゲージ表示が0でも、5lくらい残量があるらしいが、今から40年くらい前の出来事なので、日本車の仕様は不明。今後、急な坂が予測される時は十分注意しないと。

 

 次の車の話。これは事故の話。久しぶりの休日、日本人組みはランドクルーザーとジープの2台で少し遠出のドライブをしての帰り道に、それは、発生しました。ニューギニアでは、舗装道路は市街地の一部のみで、郊外の道路は、ラテライトと言う赤土の表土をそのまま削っ道路で、アフリカのサバンナの道路と同じ。慣れないジープを運転し、少しお酒が入ったボンクラ運転手は、この舗装状況、更に、ゆるいカーブに気がつかず、見事に横転してしまい、車の腹をむき出しにして止まり、友達と二人唖然として立ちすくむ。車はさほどスピードを出していないのに、スローモーション映画みたいに横転したために、二人とも怪我をしていない。通り過ぎる車は、日本と違い30分待って1台。最初の一台は横に停車し、“大丈夫か?” “大丈夫!” ”何かすることはあるか?“ 前走している相棒の車に事故でストップしているメモを渡すと、快く引き受けてくれ走り去った。

 約20分後。一台のステーションワゴンが近づき、我々の真横に停車して、“大丈夫か?”というと共に、車から降り、自分の車からワイヤーを取り出し、こちらの車に回し、横転している車を元に戻し始めた。見事に元に戻す。そして、アクセル、ブレーキ、クラッチを踏み、損傷具合をチェックし、クラッチがうまく切れないと、車の下にもぐり調節をし始めた。二人とも、感謝の気持ちを表現するタイミングも失い、ただびっくりして、見守っている。すでに、10分以上たっている。やがて、車の下から出てくると、少し、グリースで汚れたズボンを吹きながら“クラッチはつなげたが、ギアーは今のままでいじらず、ガレージまでそのまま走れ”“エンジンは途中で切るな”と言っていると。私の英語能力は少し問題があるが、助手席に座っていた友人が通訳してくれた。

 二人とも、“有り難うございます”以外の言葉が見当たらず、ボーとしていると、われらのスーパーマンは、自分の車に戻り、“気をつけていけよ”とか言って走り去った。これが、オーストラリアの常識なのか!!すごいもんだ。異常事態の対処法は完全に板についている。私達が、ぶつけた自転車を、その場で、応急修理でなんとか動けるようにするのと同じ感覚で車を扱っている。この未開発国のニューギニアで、日本人だけで仕事をしないで正解とつくづく感じ、事務所のオーストラリア人への尊敬の念をまた新たにした。スタイルもいいけど中身もいいナー。

  

      (この観光写真のあと横転事故に遭う。)

 この未知なる国で、もう一つ、運転技術を勉強したことがある。多分、これはサハリ・ラリーの運転手もやっているのではないかと思うのだが。或る時、オフィスボーイ兼運転手の00オジサンの運転で、100km離れた湖までランクルで向かった。赤土道路を100km以上のスピードで突っ走るが、彼は、いつもハンドルを右左に小刻みにゆすっている。その時は、彼の運転の癖かと馬鹿にしていた。これは大間違いだった。私が、帰りのハンドルを握ると、100km以上で、車はズルズルと横に寄ってきて中心線を維持するのが難しい。彼は、ハンドルを振れと手で合図するが、半信半疑で、右左に小さくゆすると、車のぶれが解消した。これも、その車だけの特徴なのか、専門家に聞いてみたいところです。どなたか、この理屈が判りますか。多分、雪道の走行に近いのかもしれないが。

   

  (この道路を100Kmで飛ばす。)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする