栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

弁護士37年(Yoshikawa_Shinpei)

2012年05月01日 | 柳原・山田・吉川

 

司法試験を受ける。

私は,昭和42年に一橋大学を出て,三菱銀行(蒲田支店)に入行しました。親友のG君は,絶対に勤まらないから辞めろと,親切に忠告をしてくれました。案の定,支店長と大喧嘩をし,私にはサラリーマンは勤まらないと自覚し,3年で辞めました。法学部(本当は山岳部です)を出ているから,司法試験を受けて,弁護士になろうと一念発起し,勉強を始めました。

猛勉強の結果,幸いなことに昭和47年秋に合格することができました。その間,栄光の同級生のS君K君A君G君らには,大変お世話になりました。

 司法修習生になる。

 司法試験に合格すると司法研修所に入所します。現在は1年ですが,当時は2年間でした。その間,実務修習と言って,1年4月程,日本各地に飛びます。私は,スキーができる,酒が美味い,魚が旨いということで,新潟市に住みました。村上の三面川の河原で,瀬波温泉の芸者さん達と,鮎酒で宴会をしたのが,一番の想い出です。当時の修習生は約500名で,一クラスが50名程度でしたので,日本各地に当時の仲間の弁護士がいます。5月は熊本で,10月は川越で,ゴルフです。

 弁護士になる。

 昭和50年4月に横浜で弁護士になりました。いわゆる,いそ弁です。ボス弁から給料を貰って居候しているから,いそ弁。当時は,いそ弁を数年続けた後に,自分で事務所を開設して独立するというのが,普通の弁護士の姿でした。そのためには,仕事を頼んでくれる顧客がいなければなりません。ここが一番,苦労するところです。栄光学園を卒業したことを,とても感謝しています。私の最初の顧客は,栄光と一橋の1年上の先輩でした。弁護士になって1年目から顧問弁護士にしてくれ,今も続いています。その後,大河原さんの会社も私を使ってくれました。本当に有り難かった。助かりました。今の私があるのは,栄光学園のお蔭だと思っています。感謝しています

 日南ひまわり基金法律事務所で弁護士をする。

 一挙に,57歳まで飛びます。平成14年8月から平成17年7月までの3年間,宮崎県日南市に移住し,日南ひまわり基金律事務所で弁護士業務に従事しました。日弁連は,弁護士過疎対策に取り組んでいます。司法改革の一貫として,市民がいつでも,どこでも,だれでも法律相談が受けられ,気軽に弁護士に依頼できるようにするため,弁護士過疎地に公設事務所を設置する事業です。会員から年間約3億円を集め,事業を推進しています。

 各都道府県には地方裁判所の本庁(例:横浜地方裁判所)があり,支部(例:小田原支部)があります。地裁の支部があっても,弁護士が一人もいない地域が,以前は,日本全国で約50ケ所ありました。例えば,北海道の紋別,岩手の宮古、石垣島など。宮崎県の日南市には宮崎地方裁判所日南支部があるのですが,約30年間弁護士不在が続き,公設事務所を設置することになり,赴任する弁護士を募集していました。人生に一度は田舎に住んでみたい,弁護士生活もあと10数年,何かやり残したことがあるのではないか,少しでも弁護士や法を知らない人の役に立てば,等々の動機で,応募し,全国で10番目の公設事務所弁護士に就任しました。

 日南支部管轄は,日南市(飫肥の城下町,鵜戸神宮,日南海岸で有名。当時は,西武ライオンズのキャンプ地の南郷町と,北郷町がありましたが,合併しました)・串間市(都井岬のある市)で,人口は約85,000人(当時)です。

 日南での弁護士生活

 業務内容は,横浜時代とは激変しました。横浜では,破産管財・交通事故の示談交渉・一般民事事件(不動産・相続など)・法律相談などが主でしたが,日南では,法律相談とサラ金被害救済が殆どでした。 3年間の相談件数は1317件(うちサラ金事件672件)。市民の65人に1人が相談に来たことになります。事件の受任件数が692件。うち,自己破産238件,サラ金借金の整理213件,個人再生32件。過払金請求(サラ金から利息の支払い過ぎを取り戻す)数知れず。国選弁護17件,当番弁護士出動(逮捕された被疑者に警察で面会)71件。過去37年間の弁護士生活の中で,これほど継続して忙しく働いたことはありませんでした。

 日南での私生活 

 幸い,家内が一緒に来てくれましたので,特に不自由はありませんでした。自宅は,日向灘や油津港(テレビの台風情報では必ず中継される港です)を望む,風光明媚な高台の一軒家。土地60坪,3LDKで家賃6万円でした。日南では,友人も知人もおりませんし,また,地方は社会が狭く,一方,弁護士業務は相手方(敵?)が出来る仕事なのでロータリークラブ等へも入会しません。従って,夜の宴会・飲み会は,殆どありませんでした。ゴルフの回数も半減しました。その分,家内と二人,九州を旅して歩きました。法律を知らないで損をしている人が大勢います。親の借金は子にも支払い義務がある,子の借金は親にも支払い義務があると思っている人が結構いました。相談で支払い義務はないと教えてあげただけで,安心して「これでぐっすり眠れる」と感謝して帰ります。

 地方は法の支配が未だ十分ではありません。争いは,大きな声を出す人,金のある人,実力行使をする人,そして子供が出世した人(地方ではこれが力の淵源となっています)が,力ずくで勝ちます。法の支配が及ばない場面が多く見られます。そこに,都会の弁護士が乗り込んで,法による解決を図る訳ですから,公設事務所弁護士は,このような人達,特に地方のボス階級にとっては,疎ましい存在となっていました。

 横浜に戻って弁護士をする。

 弁護士大増員のお蔭で,弁護士業界は仕事の奪い合いになってしまいました。そこで,宣伝させて頂きます。 現在,私の事務所は,のぞみ法律事務所と言い,関内駅近く,馬車道の交差点にあります。所属弁護士は,私を含めて7名。保土ヶ谷の出身で,武蔵・東大法卒のK弁護士(50代),横浜国大ロースクールで刑事弁護を教えています。金沢八景の出身で,緑が丘・東大法卒のM弁護士(40代),法律知識が極めて多様かつ深い。戸塚の出身で,豊田・慶応経済卒のU弁護士(30代),素晴らしい書面を書きます。青葉区出身で,カリタス・早稲田文・横国ロースクール卒の女性のN弁護士(30代)。武蔵小杉出身で,麻布・一橋・同ロースクール卒のO弁護士(20代)。白楽出身で,翠嵐・早稲田法・神大ロースクール卒のT弁護士(20代)。この3名は,これからの人達です。

 私が現在扱っている事件

 交通事故の示談や訴訟が多数。保険金詐欺事件。会社や個人の自己破産の申立て。多数離婚訴訟や調停。遺産分割調停や審判。遺留分減殺の調停や訴訟。いずれも複数。敷金返還訴訟。学校内事故の損害賠償請求訴訟。不動産仲介手数料請求訴訟。労災事故訴訟と示談交渉。解雇無効事件。貸金請求訴訟。建物明け渡し請求訴訟。請負代金請求訴訟。過払金請求訴訟。専門家責任を追及する訴訟。預金請求訴訟。売買代金返還訴訟。等々。その他,法律相談,契約書の作成・チェックなどをしています。 

 尚,他に,K弁護士やM弁護士らは,独自に多数の事件を担当しています。

                      (吉川*晋平)

7日間のツール・ド・モンブランのトレッキングを終えて(モンブランをバックに)

 

コメント
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