安心院いやしの里は、五島列島出身の中村フミヨさんの立ち上げたNPO法人でボランティアによる精神的弱者の支援を主体とした生活共同体として、より多くの人々の受け入れを目指している。宇佐市安心院萱籠(かやごもり)は、すぐ隣に由布岳をひかえ源氏ホタルの生息する清流と豊かな温泉に恵まれた大自然の中にある。
元気回復プランの利用者は年間50人程度とまだ世間に知られてはいないが、教会関係者、修道者の黙想や巡礼の場として活用されている。看護婦や介護士の経験に加えて、自宅での学生受け入れから始まった学生寮では32年間にわたって毎年100名を超える学生の支援を続けるだけでなく、病者やトラブルを抱えた人々も受入れ多くの人を癒してこられた。中村さんのお世話になった学生が、今はバリバリの社会人として全国で活躍している。
中村さんは学生や病者の面倒を見ながら、大自然の中で悩みを抱える中高年、あるいは高齢者の健康回復にも夢をはせ、ご主人の資産も含めて私財を投げ打ち10年前小倉市から安心院に新天地を開かれた。中村さんが取得した萱籠の3万坪の敷地はトラピスト修道院に無償譲渡され、現在はその中でいやしの里の事業が営まれているのである。
NPO法人になって5年になるが、グループ会社である「未来いやしの水」社で扱う水事業が、ようやく 軌道に乗りかけてきたところである。商品名は「美心水」というが、特徴はルルドの水と同じで、水の中でも分極率ゼロ(イオン化しない水で「ゼロウォーター」という)の水ということである。ナトリウムやカリウムなどのミネラル成分をバランスよく含み、硬度は26、pH7.1の軟水に分類される。
またゼロウォーターは、細菌やウイルスが繁殖しないため、「美心水」は全国でも2か所しかないという、保健所から非加熱処理によるビン詰めが認められている天然水である。
写真は、中村フミヨさんと創設以来のスタッフで理事の田上さんである。
宿泊施設も視察したが6畳和室(5室)で温泉場がついており、少人数での合宿、黙想には最適と思われる。また広大な敷地内にはルルドのマリア像と岩屋も配しており、緑の山麓のマリア像はフランスのルルドをほうふつさせる岩屋となっている。中村さんとスタッフのご奮闘を祈念するとともに安心院いやしの里が多くの信徒に知られ、協賛する人が増えることを強く願った訪問であった。
(花川*泰雄)
(注)「美心水」については、下記のHP をご参照ください。
http://bijinsui.com/ Tel&Fax:0978-48-2147