ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ティファニー ニューヨーク五番街の秘密

2016-11-05 02:20:04 | た行

このブルーに
そんな秘密があったとは――!


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「ティファニー ニューヨーク五番街の秘密」70点★★★★


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世界で最も有名なジュエリーブランド
「ティファニー」の初ドキュメンタリーです。


「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」の監督の作品で
前作とテイストは似てるんだけど
でも、やっぱりネタがいい!

創業者の美談から始まるので
一瞬「ん?」と思うんだけど
多くの有名人のティファニーへの思いをインタビューし
なかには
少しの批判コメントもチラッと入れてバランスを取る。

「ティファニーで朝食を」に
バズ・ラーマン監督の「華麗なるギャッビー」など
ティファニーとさまざまな映画との関わりを
解説してくれるのも楽しいし

なかでも
ティファニーブルーの秘密にはびっくり。

あの有名なメジャー球団のロゴも
ティファニーのデザインだったのか!
さらにオリンピックのメダルデザインもしていたとは――!
などなど
ブランドのいちファンとして、さまざまなウンチクに
「へえ!」と驚きました。


宝石職人の仕事ぶりも興味深かった。

ただこの監督は
87分でもちょっと中だるみを感じさせちゃうんだよね・・・(苦笑)
構成がやや単調なのかなあ。

でもこのブルーを見ると
やっぱり気分、上がりますわなあ。


★11/5(土)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。

「ティファニー ニューヨーク五番街の秘密」公式サイト
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エブリバディ・ウォンツ・サム!!

2016-11-04 00:58:53 | あ行

ここにある時間も
キラキラではある。

ちょっとむさいけど(笑)


「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」67点★★★☆


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野球推薦を受けた
新入生ジェイク(ブレイク・ジェナー)が
新学期3日前に、野球部の寮にやってくる。

個性的な先輩たちに
ちょっとしたイジワルをされながら
歓迎を受けたジェイクは

先輩たちに案内され
大学内でのナンパツアーに出発。

そこで彼は魅力的な女学生(ゾーイ・ドゥイッチ)に出会うが――?


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「ビフォア~」3部作や
「6才のボクが、大人になるまで。」
リチャード・リンクレイター監督作。

この監督は
つくづく「時間」を描く人ですね。

これって新入生の主人公が
大学に入学する前「3日間」の与太話・・・ではあるんだけど(笑)

ここには人生の最期まで
何度も振りかえるであろう特別な「時間」が、
たしかに意味を持って詰まっている。


判別しにくいヒゲ&細マッチョ連中の
キャラ分けが出来てくるころには
彼らと時を過ごし、人生で大事な瞬間その長さを、
彼らと共有している感覚になっていて

それはまた、おもしろい映画体験なんだと思う。

この内容にして
登場女子が一人だけ、というのも
男子チームっぽくていいなと(笑)


ただ話としては
そんなに深いものではなく
共感層の幅が狭いかなと思う。
ハマる人にはハマるかもですが。


★11/5(土)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。

「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」公式サイト
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ジュリエッタ

2016-11-03 13:31:52 | さ行

ペドロ・アルモドバル監督の新作です。


「ジュリエッタ」70点★★★★


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マドリードで暮らすジュリエッタ(エマ・スアレス)は
ある日、街で偶然再会した知人から
「先日、あなたの娘を見かけたわ」と言われ、驚愕する。

実はジュリエッタの娘は
12年前、18歳のときにいなくなり
以来、音信不通だったのだ。

心を乱されたジュリエッタは
優しい恋人(ダリオ・グランディネッティ)と一方的に別れ、
娘に宛てて、長い手紙を書き始める。

「あなたに話していない秘密があるの」――


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「母」「女性」を得意テーマとする
アルモドバル監督。

今回、この母親の秘密は
すごくどぎつい秘密!ではないんだけど(笑)

誰にでもこのくらいはありそうかも・・・な秘密と過去、
うまくいかなかった母娘・・・という素材を
円熟の技でまとめている。

まあ
ストーリーテリングがうまいので
引き込まれてスルスルと見てしまいます。


それにやっぱり
強烈なパッションのある色彩使いが見事!

冒頭の赤い服の質感
グリーンのバッグ、黄色の財布、
壁紙の赤、そして秘密を隠したブルーの封筒――
物語へと色が誘い、導く感じ。

若いころのジュリエッタ(アドリアーナ・ウガルテ)の
パンキッシュなブロンドヘアと
ブルーのセーターも美しかったなー。


★11/5(土)から新宿ピカデリーほかで公開。

「ジュリエッタ」公式サイト

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