けっこうコワおもしろいす。
「テイク・シェルター」73点★★★★
米の田舎町。
工事現場で働くカーティス(マイケル・シャノン)は
恐ろしい大災害の夢を見るようになる。
夢は現実のようにリアルで
重い雲がたれ込め、雷鳴が轟き、鳥たちが逃げてゆく。
しかし誰にもその兆候は見えない――。
カーティスは妻(ジェシカ・チャスティン)と
耳の不自由な愛娘を守るべく
避難用のシェルターを作り始める。
彼の不安は妄想なのか?それとも――?
第64回カンヌ国際映画祭で絶賛された心理スリラーです。
こういう話は
主人公が精神病なのか、あるいは神の啓示なのか?っていうところが
ミソなんですが
まずうまいな、と思ったのが
この映画では主人公がおおよそ精神疾患であろうと、
かなりはっきり表明しちゃってること。
彼には妄想型総合失調症の母親がいて、
彼自身も「自分にも遺伝しているかも」と自覚していて
自分から病院に行くんですね。
しかしそこで彼がなかなか
ちゃんとした医師に巡り会えなかったり
(なんせ田舎町なんで)
大勢の人の前で「みんな逃げないと!」と叫んで
ひかれていく様など
田舎町の閉鎖的な集団心理とか、主人公の苦しみの切実さとか
SF系の終末モノとはまた違う
“怖さ”や“不安”がよく描かれている。
スティーブン・キング系の怖さですね。
クリアな映像が、余計に不気味さと不穏を増幅するしね。
そしてそれでもやっぱり最後まで
彼が精神病なのか、それとも本当に終末を予知したのか
わからないんですよ。
さあ、どうなるでしょうねー。
★3/24(土)から新宿バルト9、銀座テアトルシネマほか全国で公開。
「テイク・シェルター」公式サイト