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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

インサイド・ヘッド

2015-07-13 23:35:22 | あ行

いやー、話が深く、よく出来てる。


「インサイド・ヘッド」73点★★★★


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米・ミネソタ州に暮らす
少女ライリーの頭のなかには

赤ん坊のときから、ヨロコビやカナシミなど
5つの感情が存在している。

感情たちは頭のなかの司令部で
日夜ライリーを幸せにするために奮闘してきた。

が、11歳になったライリーに
思わぬ変化が訪れる。

父親の仕事の都合で
サンフランシスコに引っ越すことになったのだ。

不安でいっぱいのライリーの心に
ヨロコビたち感情も混乱してゆき――?!


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“人間の感情”を描くという挑戦をした
ディズニー/ピクサー・アニメーション。

企画段階ではかなり突拍子もない
発想だったと思うんですが
これをちゃんと娯楽アニメにした点がエライ。


人間の頭の中にある
ヨロコビやカナシミなど
5つの基本感情がキャラクターとして登場するストーリーで

主人公ライリーが生まれたときから
感情たちは頭の中で仕事をしてるんですね。

ヨロコビはひたすらハッピーオーラでライリーを幸せにし、
イカリやビビリ、ムカムカは
ライリーへの攻撃に対する防衛反応としての役割を持っている。

そのなかでもカナシミは
常にマイナス思考で、ダウナー

「そんなカナシミって、なんのためにあるの?」という
誰もが思うことの、アンサーを描こうとしている。


感情のメカニズムをこうして描かれると
笑いながら、納得してしまうというか
「なるほど、そうか!」と思わせる描写がいっぱい。

どうしても頭のなかでリフレインする“CMのあの曲”のメカニズムなども
思わず笑っちゃいました。


人が成長していくにつれ、
感情たちがお互いに混じり合って、
複雑な心理が形成されていく、という展開もうまいし

まあ、よく出来ていますわ~。


監督は「モンスターズ・インク」(01年)や
「カールじいさんの空飛ぶ家」(09年)の
ピート・ドクター氏。

心理学者や様々な分野へのリサーチを行ったそうで、
さすがというか
児童心理学だけでなく、大人の心理学にも
通じている気がします。

最近、イラッとしがちな人(ワシじゃ苦笑)
マイナス思考の人や、気持ちの落ち込みが激しい人も

きっとこれを見ると
「ああ、こういうことで、こういう気持ちなんだな」とか
心のメカニズムを解析できた気がして、
かなーり気分が軽くなると思います。



あと、ヨロコビのキャラクターの
アニメーション表現もなかなか新しい。

身体の表面がシュワシュワと泡立っているような感じで
お風呂につかって、
お湯のなかで体に細かい泡がシャワシャワと立って
指でぬぐえそうな、あの感覚を思い出した。
気持ちいいっす。


★7/18(土)から全国で公開。

「インサイド・ヘッド」公式サイト

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