これは想像以上に、見応えアリ!!
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「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」71点★★★★
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1969年、三島由紀夫が自決する1年前。
東大駒場キャンパスで
左寄りの血気盛んな東大全共闘メンバーたちが
思想も行動も真逆と思われる、あの三島由紀夫を招いて行った
伝説の討論会。
その貴重な映像をもとにしたドキュメンタリーです。
三島由紀夫自決の年に生まれ、
三島文学といえば、高校から大学生時代に読んだ数冊。
つまり、知識ほぼナシ(すみません・・・)なワシにも、
頭をフル回転させ、議論についていかんとさせる。
人と人、知と知のぶつかり合いを愉しませてくれる
その作りがお見事!でした。
まずはこの討論が行われた背景、
学生運動、そして「東大全共闘」とはナンなのか?にはじまり、
三島由紀夫とは、どんな人物だったのか?
そして、なぜ、この討論が画期的だったのか?――などを
当時壇上で三島と対峙した人々や、
作家・平野啓一郎氏や、文学者・内田樹氏ら識者たちが
しっかり解説してくれるんです。
ハイレベルな討論の内容も
わかりやすく教えてくれるので、とっても助かった。
合わせて、討論会の映像から
三島由紀夫という人が
頭脳レベルは高くともやっぱりまだまだ青臭い大学生たちにも
とても真摯に向き合い、対話をしようとしている様子がよくわかるんです。
世界的作家の顔よりも
晩年の処し方を表面的に見て
なんとなく三島=ウヨク?なイメージを正直持っていたのですが
この映画で
彼が何を考えていたのか、
その意外な側面が、識者たちの導きで、明らかになって
驚いた。
自決の衝撃だけではなく
やっぱり時代の「カリスマ」たる人物だったのだな、と
納得できました。
なにより
異なる意見や立場にある人間と人間が
真っ正面からぶつかり合い、知の火花を散らす様に
これが「討論」もとい、「闘論」というものか、と思ってしまう。
当時の学生だったり、記者だったり
この熱を知る主要人物たちは、いまやみな70~80歳代。
そう考えると、
キャンパスで、街で、政治の場で
いま、こんな「闘論」ができる若者、いや大人はいるのだろうか??
と、自戒の念を含めて考えてしまうのでした。
映画.comさんの映画評欄にも、そんなことを書かせていただいております。
作品に興味を持っていただく
きっかけになれば幸いです!
★3/20(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
青春時代、懐かしい!絶対観に行きます。
コメントありがとうございます!
まさに
全共闘の人々が、その後の社会で
会社人として、社会人として
どう処してきたか、も語られるので
ぜひご覧いただければと思います。
最初は
これを知る世代の方にハマりそう、と
思って観たのですが
それより少し下の我々の世代も
ぐわっ、ときましたし
さらに
SNS世代にも、刺さると感じています。