ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

女と男の観覧車

2018-06-23 01:38:38 | あ行

 

ウディ・アレン監督の新作です。

 

「男と女の観覧車」68点★★★☆

 

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1950年代のコニーアイランド。

 

遊園地のレストランで働くジニー(ケイト・ウィンスレット)は

夫(ジム・ベルーシ)と、再婚同士で一緒になった。

 

冴えない仕事、冴えない人生に、内心悶々としている彼女の前に

思いがけない客が現れる。

 

それは夫の娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)。

20歳でイタリア人ギャングと結婚した彼女は

しかしいま、ダンナから命を狙われているという。

 

不安になるジニーには、もうひとつ、不安要素があった。

彼女はビーチで監視員のバイトをしている大学生(ジャスティン・ティンバーレイク)と

不倫関係にあったのだ。

 

そしてある日、彼らのあやういバランスが

壊れる出来事が起こり――?!

 

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82歳のウディ・アレン監督の最新作です。

 

 このところ

セクハラ問題が大きく取りざたされたりして

(正直、いまさら?と思ってしまうんだけど)

 

作品とは関係ないとわかっちゃいるんですが、

御大、さすがにお疲れなのかなあと、感じてしまいました。

 

冒頭にある「これ、メロドラマだよ」との断り通り、

本当にけっこうベタなメロドラマなんですよ(笑)

 

 

1950年代のコニー・アイランドの遊園地を再現した舞台装置は素敵で

美術も音楽も完ぺきに甘いのに、

 

なんだか主演のケイト・ウィンスレットに

監督の愛情があまり感じられない。

ちょっと気の毒。

 

大仰に悲劇のヒロインぶる彼女は

自分の人生に満足出来ず、他力本願でそれを他者(=男)に求め、

あげく不倫をし、不幸になるという女。

 

この無限ループは古来からあるモチーフだけど

それを御大が描くと

なにかの呪いのように、その不毛さが暗~くあとを引くんですよね。

この"毒"加減が、さすがだなあと思うのですが

 

ご自身の人生の陰に、やはり関係あるのだろうか……と。

ああ、また最初に戻ってしまった!

 

★6/23(土)から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開。

「女と男の観覧車」公式サイト


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