こうなるとは、予想がつかなかった。いい!
「カフェ・ド・フロール」75点★★★★
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2011年、カナダのモントリオール。
40代のアントワーヌ(ケヴィン・パラン)は
2年前に離婚し、若い恋人とラブラブで、仕事も絶好調。
しかし彼の元妻(エレーヌ・フローラン)は
アントワーヌとの別れをいまだに受け入れられない。
いっぽう
1969年のパリで美容師をする
シングルマザーのジャクリーヌ(ヴァネッサ・パラディ)は
ダウン症の息子に愛を注いでいた。
時空を超えて描かれる二つの物語は
いったい、どんな意味をもつのか――?
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「ダラス・バイヤーズクラブ」の
ジャン=マルク・ヴァレ監督の作品。
2011年を生きるイケイケ男と彼に捨てられた元妻。
1969年を生きるシングルマザーとダウン症の息子。
時間も場所も違う二つの物語が
めまぐるしいけどシャープな手さばきで交互に進む。
最初は
イケイケ男の日常に鼻白みながら
「これは何の話なんだろう?」といぶかしく思ってたんです。
同時に
ダウン症児を一人で育てるお母さんの
愛情と奮闘にはすごく共感したし
でも
「いったいこの二つが、どう関係するの?」と
なかなかわからない。
そして、それが
こう重なってくるとは!
予想がつかず、おもしろかったし
「ダラス~」よりワシは断然グッときた。
ぜひ予備知識ナシで見てほしいです。
この話ってすごく突き放していうと
浮気男の凝った“言い訳”とみえなくもない。
こういう理由があったんだから、しかたないべ、っていう。
でもそこを直感で
「そだね。こりゃしかたないね」と思ってあげられるのが
すごいなあと思った。
実は本作、監督自身が
長年連れ添ったパートナーと別れ、
それを消化するために作ったらしいんです。
そんな極パーソナルな感覚が物語として大きくうねった、
成功例といえると思います。
思い返すと、いろいろ謎もあって
「ラストのあの写真はなんだったのか?」には監督も答えていない。
あと、冒頭の飛行機の場面などから
主人公はもう死んでるのでは――?と推察する方もいるようです。
たしかに、それは理にかなってるかな。
観たあとに話し合うのが
またおもしろいですよ。
★3/28(土)からYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開。
「カフェ・ド・フロール」公式サイト
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