試写で観てから、はや4ヶ月。
いまだに、衝撃波が消えない~~。
「メランコリア」90点★★★★
ラース・フォン・トリアー監督の“スゲえ”新作。
「アンチクライスト」より断然いい!
その日は
ジャスティン(キルスティン・ダンスト)と
マイケル(アレクサンダー・スカースガード)の結婚式だった。
式場は
姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)と、
裕福な夫ジョン(キーファー・サザーランド)の豪華な邸宅。
が、
人生で一番幸せな瞬間のはずなのに
ジャスティンはときおり、虚ろな表情になる。
なにが彼女に起こっているのか……。
そんなときジャスティンは
巨大な惑星メランコリアが、地球に近づいていると知り――?!
実際のところ、これは
予備知識なしで観るのがオススメ。
特にロマンチストさんは。
それに、ぜひ、音響のいい劇場で観て欲しい!
でもこれじゃ、何の映画か
よくわかんないですわな(笑)
ということで、解説していきますと
これは「世界の終わり」を描いた
ある種のディザスター・ムービーなんですね。
そのなかで数人の登場人物たちが
「どう終わりを迎えるか」を描いている。
前半、結婚パーティーのシーンは
ホントに長くて
「いつまで続くんだー」という疲労感と
ホームビデオのようなカメラに酔いかける。
しかしこの積もる疲労感が、
主人公ジャスティンの疲労や、ふと感じる空虚さを
リアルに体感できる仕掛けなんですね。
そして、
花嫁としてあんなに輝いていた彼女が、
一転して心を閉ざしてし、壊れてしまう。
風呂も入れずに、ひたすら眠り続ける。
これはうつ病を経験した監督自身の体験を
相当に反映しているはず。
そして辛い時期、監督はおそらく
この映画の光景を夢想したのだと思う。
「いっそ、すべて終わってしまえ!」――と。
でも、そんな圧倒的な負から
これだけの美しい、奇跡のような作品を紡ぐんだから
ホントにクリエーターって凄い。感動。
で、世界が終わるかもしれない状況を前に、
苦しんだ主人公は、不思議な心の平穏を得るんですねえ。
それって
なんだろう
受験勉強を真にやりきった人だけが得られる
「結果の受け入れ方」みたいな感じ?
だいぶレベル違う話か?(笑)でもそんな感じ。
映画を見終わって、
真昼に出た月を思わず見上げて
厭世感を越えた、奇妙に平穏な気持ちになっている自分に驚きました。
これが悟り?(笑)
衝撃波、残ります。
おすすめです。
★2/17(金)からTOHOシネマズ渋谷、TOHOシネマズみゆき座ほか全国で公開。
「メランコリア」公式サイト
いや~、本当に衝撃的でした。
映像美に酔いしれながらも、ラストは心拍数が上がりまくりでした。
虚無感漂う美しき終末、堪能しました。
震えました?響きました?
よかった!
もしかして自分いまわの際に、
思い出す映像は
あのラストかも、とか思ってます(笑)
「おとなのけんか」もぜひ☆