ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ヒア アフター

2011-02-13 16:47:29 | は行
公式サイトに流れる音楽を聴きながら
いまもヒタヒタと

心が何かの液体にひたり
満たされる感じがしております。


「ヒア アフター」80点★★★★


サンフランシスコに暮らす
ジョージ(マット・デイモン)は
死者と対話できる能力を持つ男。

かつては霊能力者として活躍したが
いまは能力を封印し
ひっそりと暮らしている。


パリのジャーナリスト・マリー(セシル・ドゥ・フランス)は
バカンス先の東南アジアで
津波に巻き込まれ
不思議な体験をする。


ロンドンの少年マーカス(ジョージ・マクラレン)は
双子の兄(フランキー・マクラレン)を
ある出来事で失ってしまう。


「死」を身近に体験し
大きな影響を受けた3人が
意外な道筋で出会ったとき

何かが起こる――。


クリント・イーストウッド監督×
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグの話題作。


「死ぬ」とはどういうことなのか。

身近な人の「死」を体験したとき
その喪失とどう向き合い
どう再生していくのか――


誰もが挑む難しい題材ですが

イーストウッド氏の老練の技
スピルバーグ氏の
センチメンタリズムが
うまく作用した佳作と感じました。


観客と役者をできるだけ
シンクロさせるような
撮り方をしていて

見る人の“感覚”に頼り
ゆだねているようです。


水がキーになっていることもあり
見た後
ゆらゆらと波間をたゆとうような
独特な感覚が残りました。


宗教的な縛りも感じなかったし
万人の心にスッと
染み込みやすいと思う。



ただ
ゆっくり丹念に話を紡いだ分
構成バランスがちょっと崩れており

これを余韻ととるか
「え?」ととるかで
評価が分かれる気がします。


しかし
私はかなり好きでした。


スピルバーグの「A.I.」が好きな人は
イケるかもしれません。


特に
望まぬ才能(ギフト)をもらってしまった
霊能力者役の
マット・デイモンがよかった。

それこそ彼のギフトである
誠実さを全開にして

「死後の世界」や「死者との会話」なんて
霞みを掴むような
イメージだけの世界を

語るだけでこちらに
納得させてくれました。


双子の兄弟(本物の双子!)を演じた
子役もハマってた。


しかし残念だったのは
ジャーナリスト役の女優。

この人、妙に胴長な
存在感なんだよなあ(プロポーションだけにあらず)。


あ、彼女
「シスタースマイル ドミニクの歌」の主演女優か!

ああ、好みでない~~。


★2/19から全国で公開。

「ヒア アフター」公式サイト

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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観たい (三本毛)
2011-02-23 03:10:48

これ観たいです。
Twitterでも、ワタクシが読んだツイートでは
評判がいいし。

ぽつおさん、
DVD出たら借りてちょ。
返信する
えー (ぽつお番長)
2011-02-27 23:55:08

映画館で観ようよ-。

三本毛さん
「相棒」でトイレがまんしてから
すっかり映画館キライになっちゃって
どうしよう…。
返信する

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