ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アンネの追憶

2012-04-15 00:49:42 | あ行

アンネ役の子が
AKBあっちゃんに似てるんですわ(笑)ワシ的に。

「アンネの追憶」66点★★★


かの有名な『アンネの日記』を書いた
ユダヤ人少女アンネ・フランク。

彼女がゲシュタポによって
隠れ家から連行されたその後を描いた作品です。


1942年、オランダ・アムステルダム。

少女アンネ・フランク(ロザベル・ラウレンティ・セラーズ)は
13歳の誕生日に日記帳を送られ、日記を書き始める。

作家を夢見る彼女は、
日記に思いを羽ばたかせ、文字を綴っていくが

ほどなくしてナチスによるユダヤ人迫害が強まり、
アンネは家族と隠れ家で暮らし始める。

そして1944年。
ついにアンネたちの隠れ家が発見され、
彼女は家族とともに、アウシュビッツ収容所に送られてしまう。

その後、アンネを待ち受けていた運命とは――?!


隠れ家生活で終わっている
『アンネの日記』の背景と“その後”を、
父の証言などをもとに描いたイタリア映画です。

元々テレビ映画だったそうで、
収容所シーンなどもキツい描写などはなく、

劇中でも子供たちにアンネの話を聞かせるシーンから始まるなど、
おさらい&教育的色合いが強い。

いまやドイツでは
『アンネの日記』を知らない子もいるそうで、
語り継ぐべき歴史として必要ということでしょう。


将来を夢見た一人の少女としてアンネを描き
その運命の理不尽さを、抑制を効かせて描写したのは
いいアプローチだと思いますが

ただ「サラの鍵」や「善き人」など
ナチス題材が、一味違う様に進化している昨今、
大人には題材の扱いがストレート過ぎはする気がします。


それでもアンネ役の少女が、
あの有名な肖像写真のイメージそのままに利発そうで
なかなかよかったですね。

意志の強そうな目とか、顎のラインとか、
特に髪を切ってから
AKBのあっちゃんっぽいんだよなあ(笑)


しかし番長、子ども時代『アンネの日記』を読んで
アンネってけっこうおませで、ひねたところもあり、
かなりドロッとした女っぽさの片鱗を感じた気がするんですが、

その印象からすると、本作の人物造型は
可憐すぎる気がしました。

まあ13歳の少女なんて
自意識のかたまりでしょうから、
大人になったいま思えばそんなもんでしょうかね。


★4/14(土)から有楽町スバル座ほか全国で公開。

「アンネの追憶」公式サイト

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