最高!マジで踊り出しますよ、身体が!
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「アメリカン・ユートピア」79点★★★★
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元トーキング・ヘッズのデイヴィッド・バーンが
2018年発表のアルバム「アメリカン・ユートピア」のツアーを発展させて
2019年に初演したブロードウェイ・ショー。
上映後、大評判になるも
2020年にコロナ禍で再演が幻になってしまった――という
その伝説のショーを
あの、スパイク・リーが完全映画化!ということで
なんというタイミング。
いや~、期待度MAX!
で、実際に期待裏切らず、
いやそれ以上に
久々にお尻が座席から浮き上がる
ウッキウキを体験しました(笑)
装飾を一切排した舞台上に
現れるデイヴィッド・バーン。
撮影当時、御年67歳。
しょっぱなこそグレイヘアの彼に
「うわ~、歳取ったかなあ」と思ったけど、
いやいや、声の張りに変わりなし!で
ニヤリとしてしまう。
で、続いてダンサーとミュージシャンたちが登場。
全員がお揃いのグレーのスーツで裸足。
しかもキーボードやパーカッションなどの楽器を肩から提げて
まるでマーチング・バンドのようなんです。
舞台上には配線も、マイクも一切なし。
完璧にミニマルな空間で
バーンはじめ全員が
キレッキレに歌い、演奏し、走り、踊るんですよ~~
余分をそぎ落とした美学と
ほとばしる生身の人間のパッション。
その融合を、スパイク・リー監督が冴えた編集でつないでくれる。
うひゃ~気持ちいい!(笑)
バンドメンバーは多国籍で
歌にも語りにも、社会へのメッセージが内包され、
すべて一歩先ゆくエッジが効きまくる。
でも、決して説教臭くもなく
頭でっかちでもなく
とにかく楽しい。
お若い方は知らんかもしれませんが
超名作「ストップ・メイキング・センス」(ジョナサン・デミ監督、1984年)を
高校時代に知って、Tシャツ買うほどハマったワシとしても
実に感慨深く
でも、そんな古きを知らなくても、
最先端として楽しめると思うんですよね。
「ストップ~」から37年。
本当に、この方は
音楽とパフォーマンス、視覚の楽しさをつなげることに長けている
最高のアートパフォーマーだと改めて感じました。
それに、やっぱり
若い頃より「やさしく」なってるんだと思う。
いろいろ考えることはあるけど
まずは踊りながら、楽しみながら考えようよ。
それが音楽の、アートの力だぜ!と
示してくれているんだと思います。
トーキング・ヘッズ時代の曲を含む21曲を
たっぷり堪能し
そしてラストはもちろんあの名曲!
さあ、ご一緒に!
★5/28(金)から公開。
※上映状況は公式サイト&各上映館の情報をご確認くださいませ。