「よしっ!」とガッツポーズのおもしろさ!
「ビリーブ 未来への大逆転」78点★★★★
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1956年、アメリカ。
頭脳明晰な女子学生ルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は
ハーバード法科大学に入学を果たす。
が、女性新入生はわずか9人。
風当たりはビュービュー強く、かつ、ルースは幼い娘を持つ母でもあった。
だが、夫で法科2年生のマーティン(アーミー・ハマー)の強い支えのもと
彼女は主席で大学を卒業する。
しかし、弁護士事務所に就職しようとした彼女は
ここでも「女性は雇えない」という壁にぶつかり――?!
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「ディープ・インパクト」(98年)などで知られるミミ・レダー監督が
“男女平等”を訴え、アメリカの女性史に強烈なインパクトを与えた
実在にして現役の弁護士、
ルース・ベイダー・ギンズバーグを描いた作品です。
これは
「よしっ!」とガッツポーズをしたくなるほどのおもしろさ!
ミミー・レダー監督、久々な気がするけど
やっぱり凄腕。
今日的なテーマを掲げつつ、エンタメのツボを外さないんですよ。
1960年~70年代、アメリカでは
女性は仕事も選べず、クレジットカードも作れず
女だというだけで、あらゆる差別を受けていた。
そんな状況に立ち上がった彼女の闘いは、
最初からうまくいったわけじゃない。
途中までは、かなり地味。
でも、そこにリアリティがあり
終盤に向かう展開が、まさに「胸アツ!」に盛り上がるんです。
彼女なくして、#Me Tooもなかったよなあ、としみじみ。
さらに
主演のフェリシティ・ジョーンズもいいけど
彼女を支える理解ある夫、アーミー・ハマーが理想形すぎる!(笑)
それに監督は決して
「女性万歳!」だけを唱えてるわけではないんです。
例えば1970年代当時、
「女性の社会進出が、未来をどう変えるのか」を
頭のカタいおっさん連中が話し合うシーン。
「女性が平等になって働きに出たら、離婚は増え、全体の賃金は下がり、家庭は崩壊する」
「そんな未来を、来させてはいけない」――だって。
ふざけんなー!と思いつつ、
フラットな目線で見れば
いや、一理あるかも、とふと思ってしまう。
そして、40ン年後のいま、果たしてどうなったか?
「うーむ」と考えさせられもして。
折しも、
主人公、ルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリー映画
「RBG 最強の85歳」(5/10公開)も控えておりますので
併せてぜひ!
★3/22(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか、全国で公開。