映画界の若き女帝対決?!(そりゃ失礼か)
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」70点★★★★
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1561年。
幼くしてフランス王太子に嫁いだ
メアリー・スチュアート(シアーシャ・ローナン)は
18歳で未亡人となり、母国スコットランドに戻ってきた。
スコットランド国王の直系であり
イングランド王位継承権第1位である彼女は
当時、イングラドを統治していた従姉妹エリザベスⅠ世(マーゴット・ロビー)にとって
脅威の存在だった。
だがフランス仕込みのセンスのよさを持つメアリーは
人を魅了するキャラでもあり
エリザベスⅠ世とも書簡をやりとりし、関係を築いていく。
が、メアリーが再婚し、子をなしたことで
未婚のエリザベスⅠ世はプレッシャーを感じることに。
さらにメアリーを取り巻く周囲の思惑はあまりにも黒く、
ふたりの女王は、その闇に巻き込まれていく――。
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16世紀、真っ赤なドレス(実際にはペチコートだったらしい)で処刑されたという話が
やけに克明に記憶されている
悲劇の女王メアリー(シアーシャ・ローナン)と
エリザベス女王(マーゴット・ロビー)を描いた作品です。
主演のふたりもよく
一定レベルは確保、してるんですが
第一印象は「ちょっと想像と違ったかな・・・・・・」という感じ。
というのは
もっと女王同士のドロッドロなマウンティングをイメージしてたんですよ。
別にあえてドロッドロ見たくないですよ?
けど、そうじゃないとちょっと拍子抜けなのよねー
という
下世話魂炸裂ですみません(苦笑)
ただ、この映画を観て
ふたりのバトルの原因が
メアリー自身の才覚と、血筋故のプライドと気質、
それが裏目に出て引き起こされたことであり、
果ては周囲の男ども、
大きくはメアリーの帰郷で王座を奪われた異母兄の裏切りと策略だったのだ!
ということはよくわかった。
だから
メアリーVSエリザベス、というよりも
困難な時代を生きる女同士のシンパシー、という面に焦点があたっているのね。
ふたりが実際にやりとりした手紙なども残っており
そうした史実に基づき、
ここぞ、の場面は解釈を加える、さじ加減も上手なんだなあと
それはそれで、興味深く観ることができました。
エリザベスが自国の会議の場で
「メアリーの策略に何度もやられてきた。
あなたたちより、彼女のほうがよほど優秀よ」というシーンには
そんな女子同士ならではの、リスペクトが現れていて、好きでしたねえ。
歴史や人物相関図が頭に入っていないと
なかなか手強くはありますが
これを期に、より深く知りたくもなるし
そしてやっぱり
「生まれながらの女王」の血筋を一瞬で納得させる
シアーシャの表情、所作、姿勢が見事でした。
★3/15(金)からTOHOシネマズシャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国で公開。