アネット・ベニングをはじめ
キャストセンスが抜群!



「20センチュリー・ウーマン」70点★★★★




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1979年、米サンタバーバラ。
15歳のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)は

母ドロシア(アネット・ベニング)が40歳のときの子だ。


女手ひとつで彼を育ててきたドロシアだが

最近は、思春期を迎えたジェイミーへの
対応に苦慮するようになってきた。

そこでドロシアは
間借り人である20代のアビー(グレタ・ガーウィグ)と
17歳のジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談を持ちかける。



「私一人じゃ無理。

息子に“生き方”を教えてやってくれない?」
かくて
2人の女性に人生を教わることになったジェイミーだが――?!

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マイク・ミルズ監督、最新作。

監督の母がモデルだそうで
「人生はビギナーズ」は父をモデルにしていたし
この監督は本当に“自分深掘り”タイプ(笑)

でも、そこに普遍の共感を呼ぶエッセンスがあり
多くの人を惹きつけるのだと思う。

本作は1979年、15歳の“僕”と母の日々を描き
「ビギナーズ」よりも
さらにパーソナルな感じがある。

シングルマザーとして僕を育てる母親役の
アネット・ベニングも

母親に頼まれて「指南役」サポーターとなる
「フランシス・ハ」「マギーズ・プラン」のグレタ・ガーウィグ、
そして時代の先端、エルたん、こと(笑)エル・ファニングも
とにかくキャスティングが最高。


フラワー・チルドレンの余韻を引きずったような
間借り人たちのいるオープンな家や

彼らの不思議な関係もおもしろく
音楽やファッション、画面作りもセンス抜群。


ただ、逆に「あの時代」というセンチメンタリズムに
引きずられすぎている気もした。

「結局、息子(男)には母親(や女性)が理解できない」という感じにも
ややモヤる。

まあ、この、
「やわらかいけど徹底的にボク節」なところが監督の持ち味かな。

★6/3(土)から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開。
「20センチュリー・ウーマン」公式サイト