布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

映画「わらびのこう」(蕨野行)の上映会

2007-09-14 | その他
この映画「わらびのこう」(蕨野行)は、2003年制作の映画であるが、どういうわけか、今、自主上映会が全国的に展開されている。
山形県の飯豊町、川西町、朝日村を主な舞台に撮影された映画『蕨野行』。原作は、棄老伝説をもとに、芥川賞作家・村田喜代子さんが書いた小説。この棄老小説では、伝説の場所は特定されていなかったが、監督は終戦時に疎開した山形県に日本の原風景をみたらしく、山形でロケする。
私なんかは、日本の原風景というと安曇野の水車を思い出しますがね。
さて、この映画は、時代は江戸時代中期の話。この村には、60才を迎えると、みな、村を出て人里離れた原野、蕨野の丘に移り住むのだ。山々の雪が溶け出した春、蕨野入りしたジジババは8人。いずれも一癖も二癖もありそうな面々が、ここでの生活は、ただ、死ぬために生きるのだ。山里の四季の移ろいの中で、蕨野に生きる庄屋の姑レン(市原悦子)と村で暮らす若い嫁ヌイ(清水美那=新人)の心の交流を通し、人間の生と死の本質、命の原風景をえぐり出す。
現代社会でも、高齢者の中には、介護も年金からも見放されている人たちがおり、また、家族から引き離され施設で孤独に生活する高齢者がおり、いつの時代もかわらぬテーマではないだろうか?だから、こうした映画が福祉映画として取り上げられ、全国的に自主上映会が推進されているのではないだろうか。
しかし、現実の年寄りだけの生活は、処を隔てても心のかようなんてかっこいいものではない。その年寄り達の生活は悲惨の一言だ。面倒、手助けなければ、生きられない年寄りに、心だけでは救いがない。心をかよわせようがない。日々の生活の手助けがなければ生きていけない人たちには、隔てて生活してはなにも出来ない。こころがはくとも、手助けすることが心なのだ。これをしない、心をかよいなんてありっこない。若い者が、元気な者が、常にそばにいて、介護する必要があるのだ。それは、家族なら一番良い。だが、そうも行かないのが、もう一方の現実。この両現実を抱える者が、どうすべきかを考え得るのに、この映画は良いだろう。しかし、これには正解という答えはない。それぞれが、自分でよしとすることをする以外ない。この辺は、現実に介護している人間にしか、意味はわからないだろう。理解されないだろう。きれい事の世界は意味がない。
まあ、そんなことをいっても仕方ないので、この映画の市内における上映会の紹介をします。
開催日時     2007年10月11日(木)  ※開場は各部の30分前
                       午前の部  10時30分~
                       午後の部  14時30分~
                       夜の部    18時30分~
開催場所     アミュゼ柏 クリスタルホール
入場券       999円(予約は電話かFAXで)
予約先       (電話)7148-7677、FAX7148-7678
主   催     千葉県高齢者生活協同組合東葛北地区
後   援     柏市、柏市教育委員会、他
ここで、恩地監督について少し紹介します。
監督、恩地日出夫は、映画「四万十川」やテレビドラマ「傷だらけの天使」など数々の作品を世に送り出してきた1933年の東京都世田谷区生まれで、慶応義塾大学卒業後、東宝に入社。昭和36(1961)年、27歳という異例の若さで監督に昇進、『若い狼』でデビュー。
以降も『あこがれ』『伊豆の踊り子』『めぐりあい』など話題作を次々と手がけ、フリーとなってからは映画、テレビ、CFと多彩なフィールドで活躍中。また、1979年のテレビドラマで『戦後最大の誘拐-吉展ちゃん事件』で芸術祭賞優秀賞受賞している。
<これまでの監督の主な作品>
若い狼(1961年)
高校生と女教師・非情の青春(1962年)
素晴らしい悪女(1963年)
女体(1964年)
あこがれ(1966年)
伊豆の踊子(1967年)
めぐりあい(1968年)
昭和元禄・TOKYO1966X年(1968年)
恋の夏(1972年)
しあわせ(1974年)
地球(テラ)へ…(1980年)
生きてみたいもう一度・新宿バス放火事件(1985年)
四万十川(1991年)
結婚 佐藤・名取御両家篇(1993年)
蕨野行(2003年)
コメント
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