政府は、原発の使用済み燃料の再処理でできた高レベル放射性廃棄物の最終処分場を決めるため、高知県東洋町での文献調査(立地調査の第一段階)を三月にも開始しようとしている。この町の田嶋裕起町長が1月に独断で原子力発電環境整備機構の高レベル放射性廃棄物最終処分施設候補地の公募に応募したのだ。町長が調査に応じたのは、応募すれば年間約二億円という国の交付金が得られるからである。政府は、この交付金を来年度から年間十億円に引き上げて、第二、第三の応募を誘い出そうとしている(「しんぶん赤旗」2007年3月5日)。文献調査までは、市町村長が独断ですすめられるが、そこから先にすすむには、知事の意見を尊重することが義務付けられている。周辺市町村の議会と市町村長、高知県と徳島県の議会と知事も立地調査に反対しており、混乱は避けられない。原子力発電を続けるかぎり、なんらかの廃棄物処理は不可避である。安易に原発を始めたツケ、大きな落とし穴である。
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