最近、とみにブログの更新をしなくなっています。
映画を観ていないわけでもないのですが、感想をつぶやくには張り合いがないというか…なかなか気分が乗らなかったのです。
写真日記も反応もなく、まあいいかとパソコンの中に眠っている画像がたくさんあります。
でも、また始めてみるかということで久しぶりに映画の話をしようと思います。
WOWWOWが3チャンネルになってから、映画があまりに多くあふれていて、片っ端から観ている関係で感想も書くヒマがないほどです。
今回はちょっと気になった映画ということで「サンザシの樹の下で」という中国の映画を紹介します。
2010年制作で日本での公開は2011年になっています。
この映画は「初恋のきた道」のチャン・イーモウ監督が、文化大革命真っ只中の中国を舞台に描く切ないラブストーリーということになっています。
主演の女優は、今回の映画がデビューになったチョウ・ドンユィです。
舞台は文化大革命の嵐の吹き荒れる1970年代初頭の中国です。
農村から学べということで、都会の高校生は農村で住み込みの労働体験をさせられます。ジンチュウ(チョウ・ドンユィ)もそんな女子高生の1人です。
ジンチュウの家族は、父親が走資派というレッテルを貼られて、遠く労働学習と称した思想改造の弾圧を受けています。母親も走資派の妻と言うことで職場で労働教育という過酷な労働棚圧を受けています。
ジンチュウの派遣された村には伝説のサンザシの樹があります。その伝説とは、樹の下で亡くなった抗日戦争の兵士の血が染み込み、白い花が赤く咲くという、革命精神を象徴するものでした。
村長(リー・シュエチェン)の家で暮らすジンチュウは、年上の青年スン(ショーン・ドウ)と出会います。
ジンチュウは家族と離れて暮らす中、自分への好意を隠さず、何かと気に掛けてくれるスンに次第に恋心を抱いていきます。
でも、それは彼女にとって許されぬ恋でした。スンの父親は共産党の指導者です。反革命分子と見なされた自分とは相容れません。
このあたりはよくあるラブストーリーなのですが、文化大革命をバックに描きながらの展開なので、なかなか複雑な構成になっていると思います。
その中でチャン・イーモウ監督の描くプラトニック・ラブは胸キュンの描き方なのです。
反革命分子として迫害されている絶望的な状況にある一家を救う希望は、ジンチュウが学校に残り教師として採用されることでした。
少しでも革命精神に反するとみなされる行為は一家にとっては致命的です。そのためにもジンチュウは一生懸命に思想改造政策に取り組みます。
ジンチュウとスンの恋愛のスタイルがなかなかいいのです。
手もつなごうとしないジンチュウに対して川を渡るのを助けるために木ぎれを通して手をつなぎます。
川を渡ってから二人の手の距離がだんだん近くなって木ぎれを捨てて手をつなぐまでの映像だったり、人知られず密会を重ねる二人の距離感だったり
憎いまでの二人の心の機微を描いていきます。
母親に見つかってしまい、無理やり引き離される時の足の包帯を巻き替えてあげるシーンは唯一のラブシーンかもしれません。
いろいろあって再開してからの二人は、川をはさんで抱擁するシーンは何とも切ないものです。
これ以上書くと全部ストーリーを語ってしまうのでここらへんで。
非常によくできた映画だと思います。
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