映画「キャタピラー」を観てきました。
この映画は2010年のベルリン国際映画祭でシゲ子役の寺島しのぶが
銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した作品です。
周南市の古びた映画館で観たのですが、賞を取ると現金なもので、
いつもは閑散としている映画館もぼちぼちの入りでした。
観客は若い人より、中高年の方が多かったかなと思いました。
キャタピターって、日本語で芋虫って意味だそうです。
江戸川乱歩の「芋虫」からのインスピレーションらしいです。
どうでもいい話だけど、若松監督に言わせると、
本当は「芋虫」というタイトルにしたかったらしいけど、
商標権や何やで予算がかさむらしく英語のタイトルにしたそうです。
私が高校生だった頃「ジョニーは戦場に行った」という映画が
こんなテーマだったように思います。
この映画ずばり反戦映画というジャンルに入るらしいけど、
映画を見終わった感想から言えばずばりドキュメントという印象を持ちました。
戦前の映像も随所に出てきて、
それに映画のフィクションがかぶってくるという流れになっていました。
銃後の臣民の生活というものを中心に描いてあるので、
まさに生活が淡々と描かれていきます。
農村の自然の風景が次々に描かれています。
そこだけ見ると実にのどかな田園風景なのですが、
そこへキャタピラーがインサートしてきます。
「平和に見えるけど、平和じゃないんだ!戦争が起きているんだ!」そういったメッセージが入り込んできます。
四肢の先を失い、顔の片側はケロイド状になり、
耳が聞こえず、喉も切られ声も奪われた状態の夫:久蔵の姿を見た時のシゲ子の動揺…。
久蔵は勲章を3つももらい軍神として取り上げられます。
それからの久蔵は毎日判で押したように食べて・寝て・妻の体を求める…。
久蔵の世話をすることが“お国のため”と国防婦人会の村人たちからたしなめられます。
妻は献身的に夫の世話をします。
妻が夫に対して時折反抗的な態度としてできることは、
いやがる夫を軍神様としてのリヤカーに乗せて連れ出すことぐらいです。
村民たちは軍神様と手を合わせて拝むが、夫の表情は硬い。
軍神になったいきさつや、作られた寓話についても次第に明かされていくことになります。
黙って従うしかなかった銃後の国民たちの生き方と、
その中でもしたたかに、
自己と向き合うシゲ子の生き方が感じられる作品になっています。
確かにテーマとしては重いけど、
エンターテイメントとラブストーリーのみに走る日本映画の中で
「日本映画はどっこい生きている」という感じのする映画でした。
この映画は2010年のベルリン国際映画祭でシゲ子役の寺島しのぶが
銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した作品です。
周南市の古びた映画館で観たのですが、賞を取ると現金なもので、
いつもは閑散としている映画館もぼちぼちの入りでした。
観客は若い人より、中高年の方が多かったかなと思いました。
キャタピターって、日本語で芋虫って意味だそうです。
江戸川乱歩の「芋虫」からのインスピレーションらしいです。
どうでもいい話だけど、若松監督に言わせると、
本当は「芋虫」というタイトルにしたかったらしいけど、
商標権や何やで予算がかさむらしく英語のタイトルにしたそうです。
私が高校生だった頃「ジョニーは戦場に行った」という映画が
こんなテーマだったように思います。
この映画ずばり反戦映画というジャンルに入るらしいけど、
映画を見終わった感想から言えばずばりドキュメントという印象を持ちました。
戦前の映像も随所に出てきて、
それに映画のフィクションがかぶってくるという流れになっていました。
銃後の臣民の生活というものを中心に描いてあるので、
まさに生活が淡々と描かれていきます。
農村の自然の風景が次々に描かれています。
そこだけ見ると実にのどかな田園風景なのですが、
そこへキャタピラーがインサートしてきます。
「平和に見えるけど、平和じゃないんだ!戦争が起きているんだ!」そういったメッセージが入り込んできます。
四肢の先を失い、顔の片側はケロイド状になり、
耳が聞こえず、喉も切られ声も奪われた状態の夫:久蔵の姿を見た時のシゲ子の動揺…。
久蔵は勲章を3つももらい軍神として取り上げられます。
それからの久蔵は毎日判で押したように食べて・寝て・妻の体を求める…。
久蔵の世話をすることが“お国のため”と国防婦人会の村人たちからたしなめられます。
妻は献身的に夫の世話をします。
妻が夫に対して時折反抗的な態度としてできることは、
いやがる夫を軍神様としてのリヤカーに乗せて連れ出すことぐらいです。
村民たちは軍神様と手を合わせて拝むが、夫の表情は硬い。
軍神になったいきさつや、作られた寓話についても次第に明かされていくことになります。
黙って従うしかなかった銃後の国民たちの生き方と、
その中でもしたたかに、
自己と向き合うシゲ子の生き方が感じられる作品になっています。
確かにテーマとしては重いけど、
エンターテイメントとラブストーリーのみに走る日本映画の中で
「日本映画はどっこい生きている」という感じのする映画でした。
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