石見川本駅を降りると、町をあげての産業祭の真っ盛りでした。
昼ごはんを食べられる店も少ないだろうと思っていたのですが、これは何かありそうな予感です。
1時間半の滞在時間も退屈しないで済みそうです。
歩行者天国の両側には出店がずっと並び、お祭り気分を盛り上げます。
大きな音が聞こえてくるので近寄ってみると昔は鳴らしただろうなと思われるバンドが演奏しています。
お客さんもしっかり入っていて、みんなちゃんと聞いているのでとっても良いムードです。映画で見るようなシーンです。
特産物や用もないのに農機具の展示等々色々見て回って、結局昼食はカレーとビールという普通のメニューに落ち着きました。
昼食を摂って、石見川本の特産であるエゴマ商品をいくつか買い求めて駅に向かいました。
三次からの混雑ぶりを恐れてか、ホームでは、すでに乗車待ちの行列ができています。どの顔も先ほどまで一緒だった顔です。
せっかく来たのだからと、鉄道大好きモード満載の人に頼んでシャッターを押してもらいました。
駅のホームには線路を再利用した柱が建っています。
古い駅にはつきものです。
発車15分前には乗車することができました。
発車前のひと時を利用して川本町の町長さんが挨拶に来られました。他にも観光協会の方が、最近の豪華観光列車の傾向を嘆きながら、生活に直結している路線の廃線の残念さを熱く語られていました。
本当にそう思います。
石見川本駅から後半の旅になるのですが、やっと座っての移動になると緊張感がなくなったのか、昼食で飲んだビールのせいか、うとうとしてしまいました。
江の川沿いの風景も見慣れてくるとシャッターを切る回数が減って来ます。
もうすぐだな?と思っていたところで「千金」という駅名を見つけました。「値千金?」と思ったら「ちがね」でした。終点まであと二駅となると川幅もグンと広くなってきます。
そして、長い長い三江線の旅もゴールです。
三江線の終点である江津駅から一つ戻った江津本町駅の近くに天領江津本町甍街道があります。
明治大正時代の歴史的建造物や商家や土蔵が点在する通りがあります。
小さな川沿いが何とも良い雰囲気を醸し出しています。4枚目はは明治前期に建てられたとされる郵便局です。
洋風な造りで窓にはステンドグラスが入っています。
古い町並みと細い路地を歩くのはたまりません。どこへ行ってもこういう町並みを探します。
江津本町駅周辺は、あまり長い距離ではありませんが、2本の道沿いに赤瓦の町並みが続きます。
見るからに大きなカメラを提げて歩いている怪しげな私に、町の人たちは気楽に声をかけてくれます。
「良い写真は撮れましたか?」自然と「ありがとうございます」と応えてしまう温かいムードが漂います。
私は仕事から離れるとあまり口を開く方ではないのですが、この町では、笑顔で応えているから不思議です。
三江線に揺られてくねりくねりの江の川をずっと見て来ると、広々とした河口の江津の川面は何とも言えません。
青空も川面を一層映えさせています。
江津駅前の観光案内所の前になぜかわかりませんが、金の蛙が鎮座していました。
石見神楽の地らしき置物も用意してありました。
帰路はスーパーおき5号で益田まで山陰本で線、益田から山口線で新山口まで向かいました。
新山口からは、山陽本線で最寄りの岩田駅まで。
朝6時半〜夜8時半までの長旅終了です。
わかる人にしかわからない無駄な時間の使い方です。