「SLひとよし」の良いところは、古い木造駅舎に立ち寄ってくれるところです。停車時間も10分くらい保証してくれます。
古い建物が大好きな私としては、何重にも被写体を与えてくれるので、冷房がこわれたくらい十分我慢できます。
最初に立ち寄ったのは肥薩線白石駅です。
SL人吉の次の停車駅は一勝地(いっしょうち)駅です。
やはり木造駅舎です。
駅名が“一勝地”ということもあり、験を担ぐ人たちには人気があるようで、わざわざ入場券を作って販売していました。
SLは目的地の人吉に到着です。
ここで次の観光特急いさぶろう3号への乗り換えまで1時間以上あります。
人吉駅周辺をぶらり旅です。
人吉駅前で昼食を摂るつもりで駅に降り立ったのですが、予想に反してそれっぽいものは見つかりません。
喫茶店と食堂の2軒を見つけました。「こういう土地の食堂って面白いかもしれない!」と期待を込めて入りましたが、私の勝手なイメージとはちょっと違っていました。テレビの旅番組のようにはいきません。
冷房の効いていない車両の旅の後だったので、取りあえず昼間からビールを注文し、本日の定食を注文しました。冷や奴、和え物、フライの盛り合わせ、ご飯のてんこ盛りで登場してきました。このフライがくせ者でした。カリカリに揚げてあり、油もちょっと古いのかもと思えるほどしつこかった。(私の口には)
いくらビールがあるとはいえ、暑い時のフライものはちょっと選択ミスだったように思いました。
もう一つ、近くの喫茶店でコーヒーで切り替えました。地元のカメラマンが撮影したヤマセミの写真集が置いてありました。
非売品ということで大変残念な思いをしました。
人吉からは、“いさぶろう3号”に乗り、吉松駅に向かいます。
駅で待っていたら今回乗れなかった(SLを選択したから)やませみ・かわせみが入場してきました。
いさぶろうと並んで撮れたので少し満足はしています。
肥薩線途中停車駅の大畑(おこば)駅です。
木造駅舎で味わいがあります。
この駅はループ&スイッチバックで有名で、ループ線の中にあるスイッチバック駅は日本ではここだけです。
ループの中のスイッチバック駅ということで、出会いや巡り会いによって立身出世できるというなんとも言えない伝説から駅舎内には膨大な名刺が貼ってあります。
何とも不思議な駅です。
3枚目の写真は水飲み場です。かつてはいろんな駅にありました。
門司港駅にも同じような巨大な水飲み場があります。
もちろん、今は使われていません。
スイッチバックを繰り返して、肥薩線最高所の標高536.9mの矢岳(やたけ)駅に到着です。
人吉市街が標高100m位なので400mくらいを一気に駆け上がってきたということです。
駅周辺は広くて、かつては何本も線路があったことを想像させてくれます。
肥薩線そのものがかつては鹿児島本線だった時代もあり、九州を縦断する重要なルートだった頃の重要な駅だったようです。
駅構内には、人吉市SL展示館があり、D51が展示されています。かなり錆びてくたびれているのがちょっと残念ですが、これも時の流れなのかとも思います。
駅舎は大きく、待合室の天井がかなり高く広々としています。
真幸(まさき)駅は、宮崎県えびの市にある肥薩線唯一の宮崎県内の駅です。宮崎県で最初にできた駅でもあります。
駅名(真の幸)から入場券など人気があるそうです。
その名前に反して、当駅とその周辺路線は災難続きだったようです。復員軍人殉職や、1972年には大規模な土石流で駅構内と周囲の集落を飲み込む災害も起きています。そのため、周囲にはほとんど人家がないそうです。
1枚目は車内からチラッと見えた霧島連峰です。(どうも天気に恵まれない。)
4枚目は今回唯一の登場です。(一度くらい登場しないと)