パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

緒形拳の訃報で思い出したこと

2008-10-08 20:08:30 | Weblog
 緒形拳が亡くなった。肝ガンだそうで、でも、どこも肝臓ガンと書いてないのは何故か。肝ガンと肝臓ガンはちがうのだろうか。

 それはどうでもいいが、ここ五、六年、緒形は見るたび、はっきり言って……外見が汚くなっていた。ホームレスみたいだ、と思った人は少なくないと思うのだけれど……。

 病気かな、ガンかなとは少し思っていたのだけれど、目がらんらんと輝いている……いや、「輝いている」というのとはちがう。そんなにいいものではない。イヤーな感じの視線だ。

 はっきり言って、私、緒形拳て、あんまり好きじゃなかったです。

 ガンにおかされ、それが「外見」に現れていたにもかかわらず、「役者魂」のようなものでそれを覆い隠し、だれにもわからなかったというのは、「役者」としてすごいのかも知れないが、なんか、ちょっとちがうのではないかという感じがしないでもない。あんなに肩肘はって演技することもないじゃないかと。正直言って、緒形直人のほうが好きだ。

 代表作と言えば、やっぱり「復習するは……」じゃない、「復讐するは我にあり」だろう。あれは私も好きだけど、テレビでその一場面を流していたのを見たら、カラーだった。あれ? 白黒映画だとばかり思っていた。

 監督の今村昌平も、あんまり、というかまったく好きじゃないのだが、それは要するに、作品のイメージが原寸大でしかないのだ。カラーで撮っても、白黒としてしか覚えていないということはそういうことなんだろう。

 緒方拳の出演映画で一番好きなのは、石井隆監督の「GONIN」シリーズのうちの一作だ。たぶん、「2」あたりじゃなかったかと思うが、町工場の経営者で、借金絡みか何かで愛妻(多岐川裕美)をやくざに殺され、日本刀を引っさげてやくざの親分の家に乗り込んでぶった切っちゃう。すごい迫力だった。

 でも、この映画で一番好きだったのは、「カメラ」だった。特に町工場の中の風景なんか、なぜだかわからないが、とても好きだった。今見ても同じ感想を持てるかどうかはわからないが、今村なんかより、石井隆のほうがはるかに映画作家として上だと思うが……。

 でも「エジソンは偉い人」と同じのりで、「今村昌平は偉い人」と決まっちゃってる。

 緒形拳も、同様の位置にいるが、ただ「最高」といってりゃわけじゃないだろう、と言っても無駄だなあ。空しいぞ。

 実は、緒形拳というと、どうしても思い出してしまうのが、猿の真似が得意で、映画のストーリーを一人で語ることで名をうった芸人……なんていったかなあ……彼もガンで若くして死んでしまったが、彼を思い出してしまう。

 一言で言うと、貧相なんだ。

 貧相つながりで言うと、サッカーのガンバの監督、西野某も貧相だなあと髭そりのコマーシャルポスターを見るたび思ってしまう。ハンサムなのかなあ……? 死んだアイルトン・セナも、世間ではハンサムといわれてるみたいだが「貧相」な部類に入るんじゃないかあ。

 でも、「貧相男」が、必ずしも女にもてないとはいえない。代表的なのがフランク・シナトラだ。概してチビの猿顔男はもてるらしい。99の岡村とか……。じゃあ「嵐」の二宮は? 

 と、まあ勝手なことを言ってますが、一昨日の「24」で、核スーツ爆弾を爆発させようとした犯人は、最後にバウアーと格闘になって工場クレーンの鎖に首を巻かれて死んでしまったが、これを見ていて思い出した。

 ほんの二、三ヶ月前だと思うが、携帯で呼び出された息子が、指定された自宅を兼ねる工場に行くと、父親がクレーンに無惨に釣り下げられていたという映画もどき(自宅を兼ねている工場が殺人現場になるという設定は、映画「GONIN2」そのままだ)の事件だ。あれはどうなっちゃったんだ。あれも、迷宮入りか? 

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