パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

やっぱり、くたばれグルメブーム!

2007-12-08 20:53:02 | Weblog
 日本における寝たきり老人の数だが、古本屋で買った「今日から朝食をやめなさい」に、約70万、アメリカの3倍と書いてあった。ただし、絶対数で3倍なのか、人口比で3倍なのかわからなかった。しかも、その本は10数年前の本だ。そこで、ネットで調べたら、日本の寝たきり老人の数が多いことは有名で、絶対数でアメリカの5倍(てことは、人口比で10倍以上!)と書いてあった。
 ところで、「今日から朝食をやめなさい」には、一年に死ぬ人の数は100万となっていたが、この100万という数字は今も大して変わらないはずであり、一方、寝たきり老人の数は増えているはずである。他の資料なのだが、人工透析の患者数は、年4パーセントづつ増えているということで、この数字を「寝たきり老人」に適用してもそんなに大きく違いはないとすれば、年利4パーセントの福利計算と同じだから…えーと、日本の寝たきり老人の現在の数は、まあ、おそらく100万近いか、それを超えているだろう。つまり、はっきり言って、死ぬ数と同じ数の「半分死んでいる老人」(すみませんねえ、不躾な言い方で。でも事実だ)がいるわけだ。

 それから、糖尿病患者は740万人で、予備軍と想像される人をあわせると、1620万。そのうち、人工透析を受けている数が23万で、これには大体、月に40万円から100万円かかるそうなので、平均して60万円として、費用は一兆4000億円くらい。個人負担は月2万円を越えないように法律で決められているそうなので、一兆4000億円のほとんどは健康保険組合から出ていることになる。

 このような破滅的事態のすべてがグルメブームのせいとは言わないが…と遠慮して書いてみたものの、中国の糖尿病患者の数はすでに5000万人を超え、近いうちに1億人に達すると予想され、さらにインドもその後を追っているのだそうで…てことは、やっぱり、経済が発展し、収入が増えたことで、食生活が必要以上に贅沢になることが諸悪の根源なのだ。つまり、やっぱり、「くたばれグルメブーム!」と言わざるを得ないという結論になる。

 しかし、一言付け加えると、日本における「近代の厚み」は、中国、インドとは桁が違うはずで、単に、「贅沢ができるようになったので、みんないっせいにグルメに走った」とは言えないようにも思う。それほど、日本人の「近代経験」は浅くはないはずだ(と思いたい)。むしろ、女性は、よく「やけ食い」をするというけれど、その現象に近いような気がする。では、何が原因で日本人は、「やけ」になっているのか? 個人的レベルでは、なんとなくわからないでもないのだけれど、とりあえず、こう言おう。「粗食こそ、グルメの極点だ!」と。実際、メザシにほうれん草のおひたしなんて、うまいものなー。

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