パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

光源氏ボス猿説

2007-03-02 22:09:38 | Weblog
 近所の輸入食品屋で、フェイマス・エイモスの二月一杯で期限切れクッキーが10個で100円で売っていたので、買った。
 フェイマス・エイモスといえば、チョコクッキーだが、二月までは、5個100円で、チョコチップのクッキーもあった。でも、今回の“期限切れ”は、レーズンクッキーだった。
 味は……さすがに、若干落ちているかも知れないが……味は二の次という貧乏人のために、不二家も全商品9割り引きセールとか、かましてやればよかったのだ。誰に「かます」のかって、もちろん、マスゴミ。

 誰だって、心の中では、一日くらいの期限切れのミルクを原材料に使ったからといって、極端に味が落ちるとか、お腹を壊すとか、まして“命が危ない”なんてことはほとんどまったくあり得ないことを知っている。でも、それを言うと、不二家を許すことになってしまうから、したくない。
 しかし、「許す」ったって、不二家事件では、ちょっとした規則違反があっただけで、“被害者”が出たわけではない。被害者がいない以上、誰が不二家の「罪」を告発できるだろう。
 それなのに、それを、「許す、許さない」という問題に話を持っていってしまったのが、「マスゴミ」というわけだ。

 ちっちゃい問題で大騒ぎする一方で、本当に重要な問題、たとえば、タミフルで、子供を中心に54人も死んでいることについての厚生省に対する責任追求は、極めて甘い。
 「タミフルを使わなかったらもっと死者が出ていたかもしれない」という、役人の「恫喝論理」にあっさりと従っている。

 それはそうと、数年前からだと思うのだが、マスコミ、特にテレビニュースなどで、「○○氏が○○日に亡くなっていたことがわかりました」みたいな言い方をするのが気にかかる。
 訃報などの場合は、昨今、葬式のあり方が大分変わってきたみたいなので、そのためかと思うが、事件報道などでも、「~していたことが、わかりました」という言い方がめちゃくちゃ多い。多分、警察等の役所の発表を右から左に流しているために、こんな言い方になるのだろうが、ひどく、間が抜けている。

 こんなことを書く積もりでは無かったのだが…では、何を書こうと思っていたかというと、『源氏物語』。
 先週、フリーマーケットで谷崎源氏全8冊を500円で買ってきたのだ。
 その前、角川文庫の与謝野源氏を少し読んだのだが、面白そうなのだが、さっぱり頭に入らない。それで、とても読み通せそうもないと思っていたのだが、フリマで「谷崎源氏」を見つけて、立ち読みしたら、『細雪』に雰囲気がそっくりで、これなら読めそうと思ったのだ。

 というわけで、数日前から読んでいるのだが、一般的評判として「谷崎源氏」は、雰囲気的にはもっとも原作に近いが、それだけ「まどろっこしい」ので、「今の人には読みづらい」というものらしい。そうかな~。そんなことはないと思うが、ひと各々だからなんとも言えない。
 あと、最近評判なのが、全編「京言葉」を使った源氏物語で、ネットで少し読んだが、「まどろっこしい」雰囲気は出ていたが、女性が皆、舞妓さんのように感じられて、いまいち。でも、面白そうではある。

 まだ読みはじめで、夕顔が六条の御息所の生霊に殺され、その御葬式を済ませ…、といった辺りなのだが、全然予備知識が無かったので、いきなり殺されるのにびっくり(死んだ夕顔を抱きかかえる源氏の前に、一瞬、生き霊が姿を見せる箇所は、物凄く怖かった)。
 そもそも、源氏と夕顔の枕元に立った生霊が六条の御息所だというのは、後で調べてわかったので、普通に読んでいたら絶対にわからないはず。変だな~と思っていたら、ウィキペディアに、源氏が13歳から16歳の間までを描いた巻が一つだけ欠けているのだそうだ。その間に、「六条の御息所」と出会うことになると。

 なんだ、そういうことだったのか。だったら、一言断ってくれればいいのに。

 あと、難渋しているのが、生活スタイルの現代との違い。

 源氏は、いわゆる「宮仕え」なわけだが、宮仕えの男どもは、ほとんど仕事場で寝起きしていて、妻や愛人のもとに時々通う、という形らしい。もちろん、「妻問い」という言葉は知っていたけれど、具体的にどういう生活になるかというと、こんな風になるということはわからなかった。
 「こんな風に」とは、たとえば、今日は事務所の(宮廷内の)方角が悪いので泊まることができないから、と他人(たしか同僚だったかと)の家に押し掛け、そこの娘や妻といい仲になってしまうとか。
 「ええええ?」という感じなのだが、こうして押し掛けた同僚の家の、その同僚の父親の後妻、空蝉に対する源氏の「口説き」はすごい。あんまりすごくて、高齢とはいえ、夫ある身の空蝉もつい許してしまうわけだが、そのことに対する自己嫌悪で、次からは拒み続ける。う~ん、深い(のかな)。

 予備知識が無いため、かえって、これから楽しめそうであるが、しかし、女系社会にあって、実権は、実際には男が握っているといったあたりの「社会の有り様」がなかなか掴みにくい。動物園の猿山みたいなものか。

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