パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

自明性の罠

2011-07-07 20:31:49 | Weblog
 テレビがあまりにも面白くないので、ラジオでプロ野球中継を。

 関根さんの元気なお声を聞けたり、いや、けっこう面白い。

 「地デジ」なんか、いらないのかもしれない。

 とはいえ、サッカーや世界陸上なんかは、やっぱりラジオではどうもイメージがわきそうにない。

 ということは、「野球」というのは、ちょっと特異なスポーツなのか?

 でも、私は、伝説の木村VS力道山戦をラジオで聞いて、すごい興奮したことを覚えている。

 ということは、なんでも「慣れ」なのだ。

 問題は、「世界陸上」をラジオで中継するか?ということ。

 しないだろうなあ。

 それはさて、九州電力の「やらせメール」事件が起きて、NHKはじめ、全マスコミがものすごい勢いで報道している。

 もちろん、九州電力は責められてしかるべきだが、これは、日本の社会自体が抱える問題であって、九州電力がそういうけしからん体質だったというわけではない。

 NHKに類似のことが起きれば、NHKは、九州電力と同じ対応をするに違いないのだ。

 実は、「朝生」の第一回が「原発是か非か」だったのだが、ものすごい違和感を持ったのは、「賛成派」が、「電力会社」の技術者だったことだ。

 もし、純粋に「原発是か非か」を論じようとしたら、賛成派は「電力会社」なんかであってはならない。

 なぜなら、電力会社の技術者が原発に賛成なのは、彼らはそれで食っているわけだから、当たり前なのだが、その「当たり前」のこと、難しく言えば「自明性」が問題を見えにくくしているのだ。

 しかし、司会の田原総一郎をはじめ討論参加者全員、賛成派が「電力会社の技術者」であることに気づいているふうではなかった。

 より正確に言えば、それが問題であることに気づいているふうではなかった。

 「自明性の罠」にはまっているのだ。

 それは今もまったく同じだ、と九電メール事件のニュースを見ながら思ったのだった。