活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

NHK会長人事の不可解

2008-01-06 20:35:08 | Weblog
世の中には不可解な人事が結構ありますが、今回のNHK新会長選びもまったく「不可解」の一言につきます。

いくらビール会社をを軌道に乗せたからといって、ジャーナリズムには、まったく未経験のビール会社相談役の福地氏を経営委員会(委員長:古森富士フィルムHD社長)が次期会長に選任したからです。

放送法改正で選任する側の、経営委員会に権限が集中したことから古森委員長が、委員に諮らず勝手に水面下で、福地氏にNHK会長就任を依頼していた経緯が報道されています。経営委員会で十分な審議が尽くされた様子はありません。

福地氏選任の理由も委員長が、米国企業を視察したときの縁だけで決めたといいますから、その「いい加減さ」もクローズアップされています。これらを考えれば委員長が独断で、会長人事を主導したことが明らかです。

とても気掛かりなところがあります。それは、経営委員会の古森氏を委員長に起用したのが、安倍前首相と菅元総務相だからです。

NHKをこれら、タカ派主義者が人事を支配するために、思い付いたことは、同じ考えの財界出身者の古森氏を経営委員長に抜てきすることでした。タカ派好みの人事では、とても公共放送の公平中立の維持はできません。

そして、こんどは安倍、菅両氏の息のかかった古森委員長主導のもと、放送とは、まったく縁のない素人といえる福地氏をNHK会長に据えたことは安倍、菅のタカ派路線を踏襲することになります。これを許した経営委員会そのものが上層部の言いなりで、ロボット化状態であったことも、今後の課題といえるでしょう。

次期会長になる福地氏にしても、いささか「欲張り過ぎ」でないでしょうか。余計なこととはいえ、73歳の高齢で「人生の下り坂」で、すでに老境に達していることは、NHKという大組織を改革することは、心身ともにムリでしょう。それとも、会長というポストを利用して権限を振るうつもりでしょうか。

どうやら名誉を求めているようで、なんとも見苦しいといえるのです。経営委員長も次期会長も財界人で固めたことでNHKは、一層、利益至上主義に走り、組織の改革は期待できないことが明らかになりました。

むしろ、このような「不可解」な会長人事をしたことで、NHK社内の士気低下を招き、不祥事等を警戒する必要がでてきました。経営委員会が権限を、かさにきて
、なにひとつ、NHK執行部に相談しないで決めていることが窺えるからです。

古森委員長は、なによりも福地氏起用のていねいな説明を国民にしなければなりません。

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