活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

悪政の産物 続く生活破壊

2009-07-29 22:03:56 | Weblog
年収3百万円以下の労働者が、全労働者の半分を超えたという。これでは内需拡大など夢のまた夢である。給料が下がるばかりだから、出口の見えない袋小路入りした日本経済といえる。

年収3百万円以下の人たちのほとんどは、直接雇用されない非正社員たちだ。雇う側の人材派遣会社は、儲けることしか考えていないから、社会保険関係の手続きなどしていないし、それがまた許されているのが現状でもある。セフティネットなど最初からない。

だから失業しても失業保険を受けられない人たちばかりだ。年金加入の手続きもしないから、国民年金保険料は自分たちで納めるしかない。

しかし、この保険料さえ支払えない困窮世帯は相当数に上ると見積もる。この人たちは65歳到達時点でも年金をもらえない「年金難民」となり、将来の設計も描けない生活不安を余儀なくされる。

一方、これらの人たちを利用して、人件費圧縮効果で多大な利益を得たトヨタ、キャノン、パナソニック等の大企業製造業は「百年に一度」といわれる経済危機に見舞われても、世間で言われるほど経営の足もとは悪くない。派遣や請負料金を人材会社に競わせ、安上がりの労働力で搾取した「内部留保金」のお陰である。

株主への配当金据え置きでも分かると思う。すべて大企業のために非正規労働者が「餌食」にされてしまった。そして大企業の片棒を担いだのは「悪徳」の名を欲しいままにした、全国5万社といわれる人材派遣会社である。

これらを野放しにしてきた政治の怠慢も生活破壊を加速させる役割を担った。この「悪の構図」を断ち切れないかぎり、生活不安はいつまでも解消されず、向上などはありえない。


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