活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

小泉政治で収奪される「かんぽの宿」

2009-02-14 22:16:43 | Weblog
「かんぽの宿」178施設が、旧郵政公社から東京の不動産会社7社に総額115億円で一括売却されたのは、2年ほど前の07年3月のことであった。

世間の注目を浴びた、落札価格1万円の鳥取県岩美町の「かんぽの宿・岩美」が、6千倍の6千万円で地元の社会福祉施設に転売されたことはニュース等ですでに報道された。

このあこぎな商売をした不動産会社は、名前も聞いたこともない都内のR社であったことが、最近明るみにされた。R社は設立が06年2月(登記簿)、資本金3百万円。宅建免許取得07年3月、代表者を含む従業者は2名。おまけにNTTの番号案内にも、掲載されていないというから、まさに幽霊会社同然だ。

このような会社を入札に参加させること自体、一般人には理解できないことだ。疑惑だらけと言われても仕方あるまい。鳩山総務相は「衝撃を受けた」と言うのもうなずける。

R社は取材に対し、「個別の案件には答えない」としているが、商道徳を逸脱した行為には説明義務がある。売却先が福祉施設だからだ。大手不動産会社の「ダミー」説との噂にもR社の釈明は不可欠だ。

当時の郵政トップは生田正治初代総裁であった。生田氏は郵政民営化推進者小泉元首相の肝いりで就任した。国民の財産「かんぽの宿」を、わけの分からない民間会社に、タダ同然に売り払ったことは許されるはずもない。178施設の背任的売却の経緯等を、生田総裁には説明してもらいたい。

入札そのものに不正はなかったか。なぜR社が参加できたのか、あまりにも不透明だ。07年3月末の総裁退任を前に売り急いだという、そしりは免れようがない。後任の西川氏は絡んでいないのか、その説明もぜひ必要だ。

次々とメッキのはがれる郵政民営化であるが、まだ「闇の部分」は明らかにされていない。二束三文で利権を手にして、あくどく売り抜けた企業はまだあるはずだ。

最近、麻生首相が民営化の内容について、「国民の多くは詳しく知らない」と国会答弁したが、そのとおりだ。小泉ー竹中売国政治で、国民財産はことごとく売り払われた。その象徴が「かんぽの宿」売却だ。

民営化の見直しを急ぎ、闇の部分を浮かび上がらせることだ。浮かび上がって困るのは、小泉、竹中、宮内オリックス会長ら、規制緩和論者たちだからだ。なによりもいま求められるのは「公明正大」な政治である。


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