活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

これはひどい!(8)

2007-04-29 09:17:04 | Weblog
損害保険大手6社の02年4月から05年6月までの保険金不払い件数が38万件、金額で294億円に達したことが27日金融庁の発表でわかりました。いままで2回の調査がデタラメであったことから、今回で3回目ですが、まだ調査が終わっていない会社もあり中小の保険会社も含めれば、どのくらいに達するのか見当がつかない青天井状態です。

不払いについては自動車保険を例にすれば、特約を作りすぎ商品構成を複雑にしたため保険会社本体から代理店まで理解できない内容に原因ありとされています。果たしてそうでしょうか。保険会社の事故調査にあたる人が極端に少ないように思われます。10年程前の保険自由化に伴ってから競争激化で人減らしした結果、すなわち行き過ぎた合理化が今回の不祥事を招いたのです。

不幸にして事故を起こした人に対するサポートや助言など、期待できない訳です。相手保険会社と電話一本で示談交渉しているのが現状です。自動車事故でケガしたとき、「搭乗者傷害保険」が付保されているときは、たとえ事故の相手方から賠償金をもらってもそれとは関係ナシに入院、通院したとき保険金が支払われなければなりません。1000万円の搭乗者保険であれば入院日額1万5千円、通院日額1万円が支払われること保険会社が知らないはずがありません。これが支払われていなかったことは間違いなくダマシです。

圧倒的に不払いが集中しているのは、個人客に集中しているはずです。法人では不払いはほとんどないと思って間違いないでしょう。理由は簡単です。車両台数の多い上客に逃げられたら一大事ですから。金融庁によると、調査結果が出揃うのは6月末とのことですが、不払いの内訳を公表してほしいのです。たとえば、①車両台数50台以上の法人②、①以下の法人、③個人のように。結果は③が圧倒的でもう勝負アリです。自動車保険同様、火災保険、傷害保険や医療保険の不払いの細かい内訳をメディアも発表すべきです。

ずいぶんオイシイ商売をしていたのです。人の採用はしないわ、保険金は払わないわで、一番弱い個人客をターゲットにしていたのです。儲けることだけに腐心していた経営トップも責任とらなければいけないでしょう。組織ぐるみで不正行為していたわけですから。これを機会に組織のありようを真剣に検証しなければなりません。

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