活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

高速バス事故、許されぬ旅行会社の免責

2012-05-02 21:40:42 | Weblog
4/29早朝、関越道で起きた高速ツアーバス事故は、乗客45人全員が死傷する大惨事となった。この事故は国の規制緩和に原因を求めることができる。

規制緩和によるバス事業者は緩和前に比べ、ほぼ倍増したといわれる。旅行会社にとっては、これほどありがたいことはない。バス事業者に価格競争をさせて儲ければいいからだ。

バス事業者は採算割れでも、バスを遊ばせておくより増しだと考える。それでもいくらかの利益を出したいから、ドライバーの人件費を下げることを考える。しわ寄せは一番弱い立場のドライバーが被ることとなる。

これがいまのバス事業者を取り巻く実態である。ドライバーの労務管理や運行管理が行き届くはずはない。

規制緩和とは、真面目に法令や規制を遵守してきた会社が悪徳会社に顧客を奪われることをいう。今、どの業界も競争が激化しているが、行き過ぎた規制緩和のせいである。労働者の疲労も極に達し、低賃金化に歯止めがかからないのも、規制緩和による競争激化の結果である。

さて、この規制緩和で恩恵を受けたのは前述の旅行会社である。乱立するバス事業者を「よりどりみどり」で料金をたたけるからだ。絶対に損をしない構図である。

ところで、これだけ利益を受け取る旅行会社は、今回のような大事故でも責任を問われないという。バス事業者に対する、旅行会社の使用者責任も問えないような、「片手落ち」な法制度を作った政治家や役人の無責任さを追及する必要がある。

今回のバス事故は規制緩和による、安全がおろそかにされた格好の例と捉える。


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