5年前のJR福知山線脱線事故について、神戸検察審査会が歴代の3社長を強制起訴すべきだと議決した。遺族や負傷された方々の感情に沿うものである。
107人が死亡、562人が負傷した大惨事で、前社長だけが起訴され、事故に深くかかわった3人の元社長らの立件を見送った神戸地検の捜査は、遺族や被害者の感情をとうてい納得させるものではなかった。
強制起訴される3人のうち、現在、横綱審議会委員を務める元社長は、安全対策では常識のATS設置を後回しにしていた。私鉄との競争で運行時間を短縮するため、事故現場の緩やかなカーブの距離を短くして、急カーブに付け替えて収益の拡大に専念していたという。手っ取り早く利益を上げるため、安全確保をおろそかにする最近よく見られる経営者の典型であった。
このことだけでも事故が起きること、容易に予見されたのに、本丸を立件しない検察の姿勢は、当初から及び腰で熱心さはまるで感じられなかった。
JR西は「日勤教育」と称して、ダイヤに遅れがでたりすると懲罰として、レポート提出を義務付けるなど、あらゆる手段を使って多くの運転士らを締め付けていたことも明らかにされている。懲罰を避けたい運転士らは遅れを取り戻したいため、スピードアップを図っていたことも分かっている。
また、事故の本質に迫るものとして、非人間的な日勤教育に問題が潜んでいるとする識者は多い。経営幹部から徹底的にいじめられ、自己批判させられるというから推して知るべしである。
このように3人の元社長たちの人間としての尊厳を深く傷つける経営手法が、大惨事の引き金になったこと、全く無関係とはいえない。まして、本件事故で口をそろえて「危険性は認識していなかった」などと責任転嫁していることは許されない。
前社長と元社長の3人の計4人を糾弾することで、はじめて事故原因が究明され、再発防止が図れるものである。逃げ得されて、うやむやにされてはたまらない。
107人が死亡、562人が負傷した大惨事で、前社長だけが起訴され、事故に深くかかわった3人の元社長らの立件を見送った神戸地検の捜査は、遺族や被害者の感情をとうてい納得させるものではなかった。
強制起訴される3人のうち、現在、横綱審議会委員を務める元社長は、安全対策では常識のATS設置を後回しにしていた。私鉄との競争で運行時間を短縮するため、事故現場の緩やかなカーブの距離を短くして、急カーブに付け替えて収益の拡大に専念していたという。手っ取り早く利益を上げるため、安全確保をおろそかにする最近よく見られる経営者の典型であった。
このことだけでも事故が起きること、容易に予見されたのに、本丸を立件しない検察の姿勢は、当初から及び腰で熱心さはまるで感じられなかった。
JR西は「日勤教育」と称して、ダイヤに遅れがでたりすると懲罰として、レポート提出を義務付けるなど、あらゆる手段を使って多くの運転士らを締め付けていたことも明らかにされている。懲罰を避けたい運転士らは遅れを取り戻したいため、スピードアップを図っていたことも分かっている。
また、事故の本質に迫るものとして、非人間的な日勤教育に問題が潜んでいるとする識者は多い。経営幹部から徹底的にいじめられ、自己批判させられるというから推して知るべしである。
このように3人の元社長たちの人間としての尊厳を深く傷つける経営手法が、大惨事の引き金になったこと、全く無関係とはいえない。まして、本件事故で口をそろえて「危険性は認識していなかった」などと責任転嫁していることは許されない。
前社長と元社長の3人の計4人を糾弾することで、はじめて事故原因が究明され、再発防止が図れるものである。逃げ得されて、うやむやにされてはたまらない。