活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

安倍の本音は「派遣を増やすべきではない」にあらず

2014-02-23 21:52:06 | Weblog
安倍晋三首相が派遣法改正案を巡り、国会で民主党議員が「派遣労働が増えるのではないか」と質問したのに対し、「派遣は増やすべきではない」と、国民受けするまやかし答弁をした。

何を根拠にしたかは定かでないが、消費税の本質を知らない「無知ぶり」をさらけ出した。ただ、はっきりしていることは、経営者への配慮が抜かりないことだ。

実は消費税と派遣労働には密接な関係がある。消費税の納付税額は、「課税売り上げ高―課税仕入れ高」で決まる。例えば、派遣社員20名分の支払いが年間5千万円とすれば、現行の税率5%では、約238万円を控除できるが、8%では約370万円を控除できることになる。

以上のことから、消費税率が上がれば上がるほど、控除額が増えるから、納める消費税額を少なくできるメリットがある。今時、これに目を付けない経営者はいないだろう。つまり節税効果が見込めることから、派遣労働は限りなく増えることとなる。また、正社員から派遣への置き換えも加速することだろう。

安倍がいくら言葉を飾っても、派遣労働の増加を食い止めることはできない。まして政府の「産業競争力会議」に、あの悪名高き大手派遣会社会長の竹中平蔵が暗躍していることを考えれば、安倍の本音は派遣を増やすことに符合する。安倍の言葉は「まやかし」にしか響かない所以である。