活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

景気回復は内部留保の放出から

2010-12-18 21:20:03 | Weblog
社長曰く「不景気でモノが売れないから給料を下げる」。いま中小・零細企業は長引くデフレで、こんな悲鳴が聞こえることしきりである。デフレ不況で昨年のサラリーマンの手取り収入は、前年に比べ約24万円減った。由々しき事態である。

家計は細り、景気浮揚どころではない。預貯金を取り崩して、なんとかしのいでいるのが大方の現状であろう。

収入減少は将来設計にも悪影響を及ぼす。65歳到達時点の受け取り年金額が減ることも計算しなければならない。サラリーマンと家族の窮状とは裏腹に、大企業の業績は好調そのものである。

内部留保も08年度の233兆円から09年度には244兆円と天文学的数字に膨張した。度を超したもので、悪銭のようなものである。

この源泉はリストラや賃金カットによるモノである。11兆円も積み上げながら、サラリーマンに還元しない手口は、経営者としては失格である。モラルも地に墜ちたといえる。政府がこの状況を放って置いていいはずがない。

デフレ不況の克服はため込んだ内部留保を放出させることで、家計を温めるしかない。政府はデフレ不況の原因は、大企業が利益を独占している結果であることを百も承知しているはずである。

そうであれば内部留保が景気浮揚の足かせになっていることから、放出させることに、あらゆる手段と知恵を総動員することである。課税するも良し。悪質な企業名を公表するも良しである。不況から脱出するにはこれらを法制化させたらいい。

このような政策は国民からの支持を得られ、喝采を浴びやすい。早速、実現させるべきことである。