活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

禁煙化より長時間労働の追放だ

2010-02-09 23:10:10 | Weblog
厚労省は受動喫煙から労働者の健康を守るため、職場の「禁煙化」に向け、労働安全衛生法を改正する方針だという。法改正が実現すれば労基署が違反事業所に立ち入り、事業主を指導するという。

増え続ける医療費に歯止めする効果を狙ってのことであるが、いかにも安直で貧弱な発想である。労働者の健康は「思い付き」では守れない。健康を蝕む根本原因が長時間労働にあることに目を逸しているからだ。

今、あらゆる職場は長時間労働が蔓延し、事業主の違法行為は野放しといわれている。所管、厚労省はこのような労働実態を把握しながらメスを入れることをしない。厚労省は事業主が法律順守の意識が希薄なことに加え、健康保持や増進など必要な措置も怠っている現状を改善するため、きびしく指導することである。

長時間労働は心身故障の誘発原因のトップに位置付けられる。うつ病を発症したり、自殺の引き金になることは広く知られている。また、ガン、心臓病、脳卒中の「三大成人病」の発症リスクも格段に高まることはすでに立証済みだ。

医療費抑制の「大目標」は長時間労働を追放し、有給休暇の完全消化の義務化など法制化し、人間らしい生活が営まれてこそ達成できるものである。また、ゆとりのない生活も健康を害する要因だ。

政府・厚労省はこれらの対策を放置しながら、職場の禁煙化で医療費抑制の効果を期待するなどは本末転倒である。先ずは長時間労働の追放を急ぐことだ。景気浮揚策としても絶大な効果が期待される。