活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

トヨタ城  城主の説明が聞きたい

2010-02-05 21:35:10 | Weblog
トヨタの販売店・ディーラーは一生懸命働いている。本丸トヨタ城の首脳陣たちはユーザー軽視の言い訳に一生懸命だ。側近たちが城主をかばって、クレーム処理に追われている姿は前近代的な時代劇を見ているようだ。城主の豊田章男は城を取り巻く環境が、風雲急を告げていることから、自らが難題解決に動き、問題の経緯と今後の対策についてユーザーに説明する必要がある。

09年発売の新型プリウスにブレーキの不具合が発生したことが問題になっている。トヨタは調査の結果、ハイブリッド(HV)車独特の油圧ブレーキと回生ブレーキの両方があるから、車両そのものに欠陥はなく、ユーザーの「感覚の問題」と片付けた。

しかし、日を増すごとに不具合の申告が増加するにつれ、「感覚の問題」から後退し、今度は「事実関係を確認中」と、つい先日、マスコミにコメントを発表した。

実際は「確認中」ではなく、不具合を申し出たユーザーに対し、電子制御のコンピュータを調整して、不具合に対処していたことが明らかにされた。二転三転する説明は不具合が表面化することで、業績やブランドに影響することを恐れた結果とみられた。姑息と言われても仕方ない。

新型プリウスが瞬間的にブレーキの利かない状態で走行していることは、危険であり不安なことである。ブレーキを踏んでも利かない距離は、時速50kmで走行すれば1秒で14mにも達する。仮に、その半分としても7mにも及ぶ。ドライバーには心理的負担である。いつ追突あるいは衝突するか心配しながらハンドルを握らなければならないからだ。

ホンダが昨年の今ごろ低価格のHV「インサイト」を発売した。市場に旋風を巻き起こしたが、トヨタも間髪を入れずに新型プリウスを投入した。価格もインサイトを若干上回る程度に設定し、以後、爆発的売れ行きで名誉を回復した。

先端技術の象徴ではインサイトに後れをとるまいと、品質管理やテストが行き届かないまま、シェア至上主義による販路拡大が、このような事態を招いたものと思われる。

不具合は色々な要素が絡み合って生ずるものである。城主はこの原因を特定し、ユーザーに安心を与えなければいけない。そのためには自らが会見し、誠意を見せるしかない。