12月も下旬、世間では仕事納、御用納で長めの正月休みに入りますが、特に曜日だけを気にして(曜日に用事を割当てています。)過ごしている者にとって、年末の実感は希薄になっています。
何時ものように脳髄が煮詰まってくると、つい書店で解きほぐす類に手が出てしまいます。
昔日、三国志の「魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝」(岩波文庫)を読みましたが、この島国(倭及び倭人)の3世紀前後について書かれており、また「邪馬台国」の場所を特定するため(地理的同定)様々な解釈がされています。
『地図で読む「魏志倭人伝」と「邪馬台国」』(武光 誠 PHP文庫)
著者は「九州説」を前提に論じていますが、その根拠については触れられていませんし、「邪馬台国」の場所を特定することを本書の趣旨としていません。
中国(三国時代)及び朝鮮半島の歴史を検証しながら、特に「魏」(朝鮮半島ー楽浪郡・帯方郡ほか)と「邪馬台国」の関係性に重きを置き、「邪馬台国」を西域の「大月氏国」に劣らず遠方の「大国」としています。
魏の武将曹真(曹操の甥)が西域の大月氏国からの朝貢を実現させ、司馬懿は「邪馬台国」からの朝貢の手柄を過大に誇張するためだった、と。
そのために、『魏志倭人伝』は「邪馬台国」を『遥か遠くの大国』としたい司馬懿の思惑が反映しており、結果的に魏政権内部の曹真と司馬懿の権力闘争を炙り出している、と。
同様の事は、この島国の「古事記」、「日本書紀」についても言えます。
良いお年をお迎えください。
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